第71話 幽霊船
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のに無理したっていい結果は出えへんよ。返って二人に失礼や」
確かに俺は早く二人に返事をした方が良いと思ってたかもしれない。でもそんなの真剣に告白してくれた二人に失礼だ。
「もしかして周りに急かされたりしたんか?まあ全部の事情を知らなければリィン君の方に非があるように見えるけど、それでもちゃんと時間をかけて考えた方がええわ。じゃなきゃお互いの為にならんと思うで」
「……でも」
「大丈夫やって。ラウラって子は分からんけどフィーちゃんはめっちゃいい子や、あの子と一緒にいれば絶対にトラウマも乗り越えられるはずや」
「……」
「だからまずは自分を優先するべきや、そしてトラウマが解消出来たら真剣に二人へ思いを正直に答えたらええ」
「……そうですね。ありがとうございます、少しだけ気持ちが軽くなりました」
「力に慣れたんなら幸いや」
最初は誤魔化すために話をしたけど結果的には真面目な相談をすることが出来た。心が少しだけ軽くなった気がする。
「話は終わったで、そろそろ入ってきたらどうや」
「えっ?」
ケビンさんが風車小屋の入り口の扉にそう声をかけた。すると涙目の姉弟子が入ってきた。
「姉弟子!?もしかして今の話……」
「うえ〜ん!ごめんね弟弟子君〜!なにか嫌な事があったのかなってさっきの会話で思ったけど……まさかトラウマがあったなんて思わなかったの!それなのに私、早く告白の返事をした方が良いって偉そうに言ったりして……本当にごめんね〜!!」
「あ、姉弟子!泣き止んでください!はたから見れば俺が最低な事をしてるのは間違いないんですから!俺は気にしてませんから!ねっ?」
「うえ〜ん!」
「どうしよう……」
その後なんとかして姉弟子をあやすことが出来た。ふー、凄く疲れた……
でも姉弟子もいい人だよな、真剣に俺やフィーとラウラの事を想ってくれているのは間違いない。
(俺もしっかりしよう。見守ってくれた皆やフィーとラウラの為にも……)
俺は決意を新たにして仕事に励むのだった。
―――――――――
――――――
―――
その後夕飯を食べてさらに時間が立った、辺りは真っ暗になり海原も星の光を映すほど黒く染まっている。
俺は双眼鏡で沖を見ているが幽霊船は見当たらないな。
「どう、弟弟子君?何か見えた?」
「いえ、今のところは……ッ!?」
その時だった。何もなかった海の上に突然青い炎を纏ったボロボロの船が現れた。
「出ました!幽霊船です!」
「ええッ!?」
俺の言葉に他の二人も双眼鏡で確認する。
「本当に幽霊船だ、実在したんだ……」
「ケビンさん、あれは……
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