暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
第71話 幽霊船
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
り世の男どもにケンカ売っとるんやな!?ええで、そのケンカ買ったるわ!」
「なんでホウガンを構えてるんですか!そっちが話せって言ったんでしょうが!」
「やかましい!そんな不純な悩みやとは思わなかったんや!まったく最近の若いモンは……」
「貴方も若い方でしょうが」


 なんなんだこの人、これが素なのか演技なのかつかみにくいな……


「まあ冗談はここまでとして……せやな、リィン君はその子達の事どう思っとるんや?」
「……最初は俺って死にたがっていたというか自分が犠牲になれば皆が幸せになるっていうような考え方をする人間だったらしいんです」
「なるほど、自己犠牲が強かったんやな」
「はい、でもフィーが教えてくれたんです。俺が死んだら一生悲しむ人たちがいるって……だから俺はもう自分だけで厄介ごとを抱え込まないようにしようって思えたんです」
「いい子やな、その子の言う通りやで。自己犠牲を否定する気はないけどやっぱ好きな人が死んだら人間は悲しいもんや、大人になってもそれは変わらん事や」


 いつの間にかガチの人生相談になり始めたね。でもこの人は神父だしそう言う人ともかかわってきた経験があるかもしれない。ここは渡りに船でもう少し相談してみよう。


「フィーちゃんの事が大好きなんやな。それでもう一人の子は?」
「ラウラは俺にとって好敵手であり高め合っていきたい相手でした。俺が剣士として高みに行きたいって思えるのはラウラのお蔭だと思っています。それに彼女はとてもまっすぐである意味憧れの存在なんです。そんな彼女が俺の事を好きだって言ってくれて……なんかすごく意識しちゃって……」
「つまり憧れの存在から告白されて凄い意識してしまうって訳やな。なんや、二人にベタ惚れやないか、聞いとるこっちがむず痒くなってきたわ」
「うぅ……」


 こうして他人に二人への想いを話したことなかったけどやっぱり俺は二人が好きなんだ。でも……


「それでも俺は二人に想いを答えることが出来ないんです。過去に大切な女の子を俺のせいで失ってしまった事があって……それを思い出すとどうしても体が震えてしまって……」
「そうか、トラウマがあるんやな?キツいよなぁ、大切な人を失うのは……」
「ケビンさん?」


 何か雰囲気が変わったケビンさんに困惑してしまう。どうしたんだ?


「……いや、何でもあらへん。とにかく俺が言えるのはリィン君がどうしたいかが大事やと思うよ」
「俺が?」
「せや。リィン君は二人に想いを伝えたいけど怖いんやろ?ならトラウマを無理に起こす必要もない、まずは自分の事を優先するべきや」
「いいんでしょうか、二人の想いを利用してるみたいで……」
「卑怯に感じるんか?でもな、やっぱ人間は自分が一番大事や。自分が苦しい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ