第百二十五話 丈、学問をするのことその二
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すぐに許緒が来てだ。こう彼に言った。
「あっタンさん手伝うよ」
「ほほう。可愛い娘さんが来たか」
「やだなあ。可愛くなんかないよ」
そうは言ってもだ。許緒は笑顔になっていた。
それでだ。タンにこんなことも言ったのである。
「けれど有り難うね」
「いやいや。それでどうしてここに来たのじゃ?」
「うん、僕の天幕は畳み終えたから」
それでだというのだ。
「御手伝いに来たんだよ」
「おお、それは済まんのう」
「困った時はお互い様だしね」
「わしも歳じゃからな」
タンは笑いながらこんなことも言った。
「何かと節々が痛いわい」
「あれっ、何処か悪いの」
「いや、歳がくるとそうなるのじゃ」
「そういえば玄武の翁さんや花風院さんも言うわね」
「そうじゃな。実はこれで結構辛いのじゃよ」
「歳を取るのって大変なんだ」
「左様、何かとな」
こう許緒に話すのだった。そしてだ。
ここでだ。もう一人来た。それは誰かというと。
典韋だった。彼女もタンのところに来て言うのである。
「御手伝いさせて下さい」
「おお、また可愛い娘が来たわい」
「そんな、私なんかとても」
典韋はだ。顔を赤らめさせてタンに応えた。
「全然。華琳様と比べたら」
「そうだよね。僕達なんか全然だけれど」
「いやいや、かなりのものじゃよ」
謙遜する二人にさらに言うタンだった。
「今もそうじゃがさらにじゃ」
「可愛くなるっていうんですか」
「そうなんですか」
「奇麗にもなる」
タンはまた言った。
「可愛さに加えてじゃ」
「それならとても嬉しいですけれど」
「何か恥ずかしいです」
また言う二人だった。そんな話をしながらだ。
二人はタンの天幕をなおしていく。それが終わってからだ。
タンは二人にだ。両手を合わせて一礼するのだった。
「済まぬのう」
「いえいえ、お互いに助け合ってですから」
「御礼なんていいわよ」
典韋も許緒もそれはいいとだ。やはり言うのだった。
「それよりもね。天幕なおし終わったし」
「何か食べない?」
「そういえば丁度その時間じゃな」
タンは上を見上げた。するとだった。
日は真上にあった。その日を見ての言葉だった。
「では何か食べようかのう」
「うん、じゃあ流琉ちゃんのお料理食べよう」
「早速作りますね」
「茶玉子はあるかのう」
ここで己の好物を言うタンだった。
「それを食べたいのじゃが」
「あっ、茶玉子でしたら」
どうかとだ。典韋はタンにすぐに話した。
「朝御飯の残りであります」
「ほう。ではそれを頂こう」
「茶玉子って美味しいよね」
許緒はその茶玉子について笑顔で話す。
「朝とかあっさりしててね。僕三十個は食べるよ」
「いや、それは食べ
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