L3話 流れ出るWolf【オオカミ】の性
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いかける男という、嫌な構図になっていた。とうとう昔馴染みの公園に辿り着いたところで、速人はかのんの肩に手をかける。
最初は抵抗していたかのんだが、しばらくして気分が落ち着いてきたのか速人にその胸の内を話し始める。
「私って何で歌えないんだろ……緊張なんかしてないのに、人の前に出るとまるで呪いでもかかったみたいに歌えないの!」
「それは……」
「もうウンザリなの!私が歌えないことで他の人が落ち込むのも!何より自分が不甲斐なくて……!!!」
かのんが叫ぶ苦しみ。これを理解できるのは速人の左目……精神を見透かす目しかあるまい。この苦しみが???速人の心をも抉る。
でも……
「俺はお前の歌が好きだ。」
「え…?」
「お前の苦しみは痛いほどわかる……お前は他人のことを結べる優しくて活発な娘だ。だからみんなに迷惑をかけたくない??でも、お前のために歌ったことはないんじゃないか?」
「私のために……?」
「スクールアイドルは自分もみんなも喜ばせられるモノだ??可可を見ていればそれが嫌ほどわかる。」
「でも……」
かのんは再び顔を背ける???が、そこに勇気あるカタコトの声が響く。
「だったら……可可はかのんさんが歌えるようになるまで待ちマス!」
「可可ちゃん???!」
「約束シマス!かのんさんが歌えるようになるまで諦めないって……約束シマス!!」
可可はその期待に溢れた言葉を続ける????
「かのんさんは歌がスキです!こんな可可を一人でも応援してクレました!!可可はそんなかのんさんだからこそ、一緒にスクールアイドルがしたいデス!!」
「でもそのまま一生歌えなかったら……」
もう大空へと飛びそうな時に、かのんが発したネガティヴ。
だが……見えた。見えた。見えた。
速人の目に???その未来を見通す目に、最高最善の未来が。
「???歌えるさ。」
「えっ?」
「実はお前には言ってなかったんだけどさ、つい最近までお前の未来が見えなかったんだよ???でも今、はっきり見えた。」
速人はかのんの心が生み出した聖剣 火炎剣烈火を100cmサイズに顕現させる。その勇気の証のような剣を、彼も含め3人が囲う中央に突き刺す。
「この剣はかのん、お前のキモチから生まれた剣だ??さっき師匠はこう言うつもりだった……『お前たちの側でその歌を聴き、それを守れ。』」
「側で……?」
「俺はお前の歌を聴いていたいし、それを守りたい???俺がお前たちの導いてやる……だから。」
唾を飲み込む……言い切るんだ。
「俺のためにも……お前のためにも……全てのために、スクールアイドルという舞台でもう一度歌ってくれ!!」
基本的に冷たい
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