第百二十四話 黄龍、娘を救うのことその十四
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」
「はい、おそらくは」
「そう考えていいかと」
夏侯姉妹がその彼女に答える。
「敵は消えました」
「残っているのは我々です」
「そうね。そうした意味では飼ったわ」
曹操も言う。そのことはだ。
しかしそれでもだ。釈然としない顔になってこうも言うのだった。
「けれど。完全な勝利ではないわね」
「敵は逃げました」
「何処かに」
「また。戦わなければならないわね」
曹操は苦い顔で述べた。
「奴等とは」
「限定的勝利ですわね」
曹操のところにだ。袁紹が来て述べた。彼女の周りには袁紹軍の五大明王、それに審配がいて警護、袁紹の突出を防いでいる。
「どうやら」
「そうね。完勝では絶対にないわ」
それは曹操も言う。
「今度こそはね」
「ですね。残念ですけれど」
「リターンマッチですよね」
顔良と文醜が述べた。
「けれどとりあえずはですね」
「勝ちましたし。それじゃあ」
「ええ、劉備に伝えて」
曹操は顔良と文醜の言葉にすぐに応えてだった。
傍にいた兵士にだ。こう告げたのだった。
「勝ち鬨よ」
「はい、ではすぐにお伝えします」
「戦いは勝ったわ」
そのことは紛れもない事実からであった。
「それならね。今はね」
「畏まりました。それでは」
こうしてだった。劉備に勝ち鬨のことが伝えられてだった。
実際に陣に勝ち鬨があがる。赤壁での戦いは連合軍の勝利に終わった。しかし戦いそのものは終わってはいない、誰もがそのことを噛み締めていた。
第百二十四話 完
2011・11・13
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