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夢幻水滸伝
第二百五十一話 福州沖の海戦その十一

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「そうするで」
「わかりました、ほなですね」
「これから戦うで、負けた時のことも言うたけど」
「戦うからにはですね」
「勝つで」
「そうしますね」
「ああ、やったるで」  
 笑顔で言ってだった。
 郭は美蓮と共に決戦に赴いた、彼は艦隊を広州沖に配置してそのうえで施達が率いる艦隊が来るのを待った。
 施は仲間達と共に艦隊を率いて広州に向かっていた、そうしてだった。
 夕食の時に郭達が広州沖に布陣したと聞いて言った。
「よし、自分等もや」
「広州沖に向かいますね」
「そうするで」
 白に中華風の刺身を食べつつ応えた。見れば今のメニューは海のものだ。
「ええな」
「そうしてですね」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「勝つで」
「そうしますね」
「そや、ただな」
「ただといいますと」
「船団は広州に向かわせるで」
「上陸は海戦前にですか」
「やる、少なくともや」
 不敵な笑みで話した。
「そうする様に見せるで」
「郭さん達に」
「そや、それが例え陽動でもな」
「敵軍の耳に入れば」
「本拠地それも母港を襲われるということやさかいな」
「動揺しますね」
 今言ったのは王だった、フカヒレスープを飲みつつそうした。
「お二人は冷静さを保とうとも将兵の多くが」
「それで若しかしたら本拠地を奪われん為にな」
「広州に戻ろうとしますか」
「そうもするかも知れんしな」
 そうなる可能性もあるからだというのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「上陸部隊を乗せた船団はな」
 その彼等はというのだ。
「広州に向かわせるで」
「待機させへんと」
「そうするで」
「わかりました」
「まさかそうお考えとは」
 白は塩味の麺を食べながら述べた、その上には海老や烏賊や貝、キクラゲや鶉の卵、人参や茸、葱等がある。
「拙者は海戦の後で上陸をです」
「行うとやな」
「思ってましたが」
「それよりもや」
「まずは上陸ですか」
「そや、敵艦隊との決戦は艦隊が行うが」
 それと共にというのだ。
「敵が決戦を挑んでも兵をそこだけに向かわせなあかん道理はないな」
「はい、確かに」
 紅美はフカヒレ餃子を食べながら応えた。
「それはです」
「ないな」
「戦は使えるものは何でも使って勝つもんですね」
「そや、それやとな」
「この度はですね」
「兵をそうして使ってな」
 そのうえでというのだ。
「勝つで」
「そうしますか」
「戦の間に本拠地を攻め落とされる」
「戦で一番怖いことの一つですね」
「それをされると思わせることがな」 
 このことがというのだ。
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