第二百五十一話 福州沖の海戦その十
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「広東省もな」
「攻め取られていきますね」
「そうなって敗北は確実になる」
そうなるというのだ。
「そやからな」
「敗れればですね」
「そこでな」
「降伏ですか」
「世界を救う星のモンが民に迷惑をかけるとな」
郭はどうかという顔で話した。
「やっぱりあれやとな」
「思われますか」
「美蓮ちゃんもやろ」
「あたしもそれは」
美蓮も答えた、この世界ではドワーフなので小柄でがっしりとした体格であり顔立ちが可愛らしいので何処からトイプードルを思わせる。
「同じですね」
「そやな」
「この世界を救うのに」
それでもというのだ。
「民に迷惑をかけますと」
「本末転倒や」
「そうですね」
「僕は遊ぶことは好きやが」
「人に迷惑をかけることはですね」
「冷えたご飯を食べることと」
中国ではこれは悪いことをするなという意味の言葉だ、冷えたご飯は刑務所で出るものであるが中国人は伝統的に冷たい食べものは避ける傾向があるのだ。ただし最近は冷たい料理も食べたりする様になっている。
「人に迷惑をかけることはな」
「駄目ですよね」
「そう親に言われてきた」
教育されてきたというのだ。
「そやったわ」
「ほなですね」
「やっぱりな」
「そんなことはですね」
「せん様にしたい」
是非にと言うのだった。
「ほんまにな」
「そやからですね」
「今度の海戦で負けたら」
その時はというのだ。
「大人しくな」
「降伏しますか」
「それに福建をかなり取られててな」
その大部分を掌握されてというのだ。
「そして本拠地まで攻められて湖南省からも迫られてる」
「そうした状況やと」
「もう劣勢は明らかやしな」
「敗北しかないですか」
「そうなるさかいな」
それでというのだ。
「もうな」
「その時点で、ですね」
「降伏してな」
「後はですね」
「国と民を治めてもらうことにするわ」
施達にというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「広州を守ろうとも考えたが」
「それでもですね」
「施は大軍を連れて来てるわ」
「その数三十万ですね」
「大砲も術を使えるモンもよおさんでな」
装備も整っているというのだ。
「しかも星のモンも四人おる」
「そのうえで攻められますと」
「落城は避けられんわ」
「そやからですね」
「ここはな」
「もうですね」
「そや、降伏する」
海戦で負ければというのだ。
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