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夢幻水滸伝
第二百五十一話 福州沖の海戦その九

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「それはあまり置かんでな」
「敵艦隊にですね」
「戦力を集中させるで」
「そうして一気に広州を攻めてですね」
「郭と美蓮ちゃんは自分等の動きを見たらすぐに広州に戻って艦隊を率いて出撃してくるが」
 それでもというのだ。
「そこでや」
「艦隊決戦を挑んでですね」
「そしてな」
「その敵艦隊との決戦に勝って」
「そのうえでな」
 王に話を続けた。
「陸軍を上陸させてな」
「広州攻略ですね」
「敵の本拠地を奪えば大きい」
 施は確かな声で述べた。
「そこからさらにや」
「攻めていきますね」
 紅美が応えた。
「そうですね」
「そうや、それで広東省をや」
「掌握しますね」
「厦門を攻めずに」 
 堅固な要塞と化しているその街をというのだ。
「敵の本拠地を海から攻めてな」
「勢力を拡大させますね」
「そして敵を倒す」 
「それでは」
「出港や」
 こう言ってだった。
 施は白と王、紅美と共に大艦隊と兵達を乗せた大船団を率いて福州を発った、その話は厦門にいる郭と美蓮にもすぐに伝わった。
 その話を聞いてだ、郭は美蓮に言った。
「ほな僕達はな」
「すぐに広州に戻りますね」
「術を使ってな」
「そうして瞬時に戻り」
「そしてや」
「広州に艦隊と兵を集めて」
「守りを固めてな」
 そうしてというのだ。
「敵艦隊をな」
「迎え撃ちますね」
「そうするで」
 こう言うのだった。
「ええな」
「それしかないですね」
「多分これが決戦になるな、ここで負けたらな」
「敵軍が上陸してきてですね」
「広州を囲まれてな」
「攻められてですね」
「負けるわ、街を攻撃されると」
 郭は美蓮に苦い顔で述べた。
「当然被害が出るからな」
「街が壊され民も迷惑しますね」
「幸い泉州は城壁が壊された時点で市長が降ってくれたが」
 それでもというのだ。
「広州ではそうなるとは限らん」
「戦になれば何が起こるかわかりません」
「そやからな」
「艦隊での戦で、ですね」
「決めるか、ここで勝ったらええが」
「敗れればですね」
「降るか」
 施達にというのだ。
「そうするか」
「そうしてですね」
「戦を終らせますか」
「上陸されたら広州に被害が及び」
 そしてというのだ。
「敵の数も多いみたいやしな」
「陥落は避けられへんですね」
「そして広州からさらに攻められてな」
 そうしてというのだ。
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