第二百五十一話 福州沖の海戦その七
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「交通上の」
「広東省に入るにあたってですね」
「ええ場所にあるさかいな」
「避けられへんですか」
「陸路やとな、そやとな」
「攻略するしかないですか」
「いや、陸路やって言うたな」
ここで施はこう言った。
「そやな」
「陸路ということは」
「泉州を攻略したら海から攻めようと思ってる」
「厦門をですか」
「いや、敵の本拠地の広州をや」
この街をだ、施は話した。
「一気にな」
「広州ですか」
「そや、艦隊を送ってな」
「そして海戦で勝ってですか」
王が応えた。
「そうしてですか」
「そこから一気にな」
「大軍を広州に上陸させてですか」
「広州を占領しようってな」
その様にというのだ。
「今考えてるんや」
「敵の本拠地を一気にですか」
「別に敵の本拠地を占領して勝ちが決まる訳ではないが」
無制限戦争であるならそれこそ敵の領土全てを占領しなくてはならない、首都や本拠地を攻略しても戦争は続くものなのだ。
だがそれでもとだ、施は仲間達に話した。
「大きいな」
「敵の士気をかなり挫き」
「そして本拠地ともなると交通の便もええな」
「栄えてもいます」
「そうした場所を占拠するとな」
そうすればというのだ。
「ほんまにや」
「大きいですね」
「そやからな」
それでというのだ。
「泉州の後はや」
「広州ですか」
「そこからは艦隊を出してな」
「そして戦をですか」
「一気に終わらせたい」
「敵はおそらく泉州の次は厦門と考えていますね」
紅美は施に問うた。
「そうですね」
「そやろ、その裏をかくという意味でもな」
「これはええですね」
「そや、兵は詭道なりとも言うな」
施は孫子の言葉も出した、出しつつうっすらと笑みを浮かべている。
「敵の裏をかくのもや」
「戦ですね」
「幾ら敵より有利な戦力でもな」
「裏をかきますか」
「時としてな」
「そうして勝ちますね」
「そういうことや、ではまずはな」
施はさらに話した。
「泉州を攻略するで」
「わかりました」
「そっちに出陣や」
こう言って福州からだった。
施は軍を泉州に向けた、泉州は城壁が高く多くの兵がいたが。
「郭と蓮美ちゃんはおらんか」
「はい」
王が応えた。
「そうです」
「厦門におるか」
「どうも泉州の陥落は仕方ないとして」
「厦門でか」
「食い止める様です」
「兵と民にも無闇に抵抗せずとです」
紅美も話してきた。
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