第五百六話 男湯の方その五
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「そうだな」
「それはそうだが」
ゲルドはその巽に話した。
「貴殿は一度挫折したな」
「コンサートで失敗した」
「そうだったな」
「その時折れた」
「だがそこからだな」
「こうして復活した」
「見事だ、挫折は誰にもある」
ゲルドは巽のそのことを思いやりながら彼に語った。
「大事なのはそこからどう立ち直ってだ」
「また進むことだな」
「そうだ、貴殿はそこが見事だ」
「全くである、巽殿は立派ですぞ」
ガビルも言ってきた。
「そして今もフランシュシュの方々を支えているのですから」
「若し巽さんがいなかったら」
清音は思った。
「本当にフランシュシュはないですしね」
「佐賀県はどうなっていたか」
今言ったのはマテウスだった。
「わかっていなかったかも知れないな」
「佐賀県はマイナーと言われるな」
キング義経も話に入って来た。
「その佐賀県の為の活動は素晴らしいことだ」
「佐賀県にもラーメンや名物料理はあるのだが」
美作が言ってきた。
「しかし周りが目立つから大変だ」
「福岡とか長崎とかがあるからな」
久我も話に参加してきた。
「やっぱり辛いよな」
「いや、佐賀県はいいよ」
犬屋敷は佐賀県のフォローに回った。
「僕は嫌いじゃないよ」
「そう言ってくれますか」
「うん、観光名所もあって産業もね」
「悪くないですね」
「そう思うよ」
巽に横から微笑んで話す。
「本当にね」
「俺も佐賀県好きだよ」
五代も微笑んで言ってきた。
「色々言われる様なことはないよ」
「それは鳥取も同じですよ」
鬼太郎はこの県のことを話した。
「行ってみるとその魅力がわかります」
「そうじゃ、それを馬鹿にするなぞじゃ」
目玉の親父は鬼太郎の頭の上に置かれた碗の中の湯に入っている、そこでくつろぎながら言うのだった。
「言語道断じゃ」
「全くだね、私も青森の津軽が好きだけれど」
太宰はそちらの話をした。
「悪いところじゃないよ」
「それぞれの場所でいいところがあるものだ」
恋司は強い声で断言した。
「そのことを知ることだな」
「その通りだ、事実佐賀県はいい場所だった」
一色は湯舟の中で獺のぬいぐるみとして漂いつつ真面目な顔で語った。
「それを否定することは出来ん」
「事実だからですね」
「左様」
基樹にもその顔で答えた。
「事実を偽ることはせぬことだ」
「そういうことですね」
「時としてそうせねばならん時もあるが」
「今は違いますね」
「偽る必要はなく」
そしてというのだ。
「偽るとな」
「駄目ですね」
「そうした時だ、だから言う」
事実をというのだ。
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