第五百六話 男湯の方その二
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「俺もな」
「確かに当麻君の不幸はかなりのものです」
清明も言うことだった。
「幸い死には至っていませんが」
「普通死んでるっすよ」
ゴブタもどうかという顔で言う。
「おいら当麻さんが一度も黒衣の青年さんのお世話になっていないことが不思議です」
「つまり生命力があるのですね」
リグルは確信して述べた。
「それは何よりですが」
「ですが、か」
「はい、運がないことは」
このことはというのだ。
「どうしてもです」
「否定出来ないんだな、リグルさんも」
「残念ですが」
「運がないならだ」
紅麗も言う、今は仮面を外して素顔である。
「それだけで苦労する、私もそうだったと言われるしな」
「紅麗様は今は我々がいますので」
雷覇はその紅麗の傍で言ってきた。
「ご安心を」
「そう言ってくれるか」
「それに今の紅麗様はです」
雷覇はさらに話した。
「運もです」
「備わってきているか」
「そうかと」
「そうだな。お前達とも再会出来たしな」
紅麗は微笑んで述べた。
「母上ともまた共に暮らせている」
「それならですね」
「今の私には運があってだ」
そうしてというのだ。
「幸せだ」
「まあ何かあったらわい等がおる」
ジョーカーも言ってきた、目は他人からは見えない。髪の毛に隠れておる。
「何でも言うてや」
「そう言ってくれるか」
「元十神衆やしな」
「そう思うとりゅい」
ビミィは飛びながら当麻を複雑な顔で見て話した。
「当麻と明久は苦しいりゅいね」
「やっぱりそうか、俺は」
「若し桁外れの生命力がなかったらりゅい」
その時はというのだ。
「死んでるりゅい」
「そうだよな」
「そうなっていたりゅい」
まさにというのだ。
「俺もそう思うりゅい」
「そうだな」
アインズも言うことだった。
「私もそう見ている」
(というか二人共運が悪いにも程があるよな)
アインズは心の中でも呟いた。
(どう見ても)」
「二人共生命力がないとな」
「死んでいたりゅい」
「何度もな」
「三途の川なら見たことがあります」
明久はこう答えた。
「あの時はそれで済んでよかったと思いました」
「だからそれで済んでよかったじゃないですよ」
カズヤはそれはと述べた。
「もう」
「そうかな」
「はい、やっぱり明久さん達の運は酷いですね」
「俺も運には自信がないけれどな」
大兎も言ってきた。
「そこまでじゃないしな」
「何か隕石が来たらな」
当麻はそのケースを想定して話した。
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