第五百六話 男湯の方その一
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第五百六話 男湯の方
男湯でもくつろいでいた、明久は湯舟の中で満足している顔で言った。
「いやあ、普通にお風呂に入られるっていいね」
「普通じゃないお風呂って何だ?」
洋はそのことを尋ねた。
「一体」
「いや、僕の日常何かとあるんで」
「それでか」
「食べるものもそうで」
「そういえばいつも何かあるな」
「お風呂入るにしてもなんです」
「騒動があるか」
「はい、ですから」
そうした日常だからだというのだ。
「平和にお風呂に入られるって」
「それだけでいいか」
「幸せですね」
「そういうことか」
「サウナもよかったですね」
フィンランドは得顎でそちらの話をした。
「汗をかいてすっきりしましたね」
「そうでしたね」
明久はフィンランドにも応えた。
「実は僕の家暫くお湯も止まっていて」
「そうだったんですか」
「ガスもそうで。電気だけはあったんですが」
それでもというのだ。
「そうした生活で」
「それで、ですか」
「お湯のお風呂に入られて」
「サウナもならですか」
「余計に幸せです」
「そうなんですね」
「本当にいいですね」
「俺もだ、こうして平和にお風呂に入られる」
当麻も湯舟の中で言った。
「それがどれだけ幸せか」
「お前の場合風呂に入っていても騒動が起こるな」
彼をよく知る一方通行がそこを言った。
「とんでもないことがな」
「ああ、俺は本当に運がないからな」
当麻は自分のことをわかっていてこう言った。
「だからな」
「そうだな」
「それでな」
その為にというのだ。
「風呂に入ってもな」
「いきなりとんでもないことが起こるな」
「インデックスやら美琴が飛び込んできてな」
風呂場の中にだ。
「そこに敵の攻撃が来たり」
「それは大変だな、そうした時はだ」
バリアシオンが真顔で言って来た。
「忘れろ」
「忘れることですか」
「思いきり飲んでだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「忘れることですか」
「そうだ」
そうすべきだというのだ。
「もうな」
「そうしたらいいんですね」
「ただし酔い潰れている時に何かあれば終わりだがな」
バリアシオンはこのことも話した。
「隕石でも落ちたらな」
「それはあるな」
セッケは当麻との付き合いの長さから彼の運のなさをわかっていて暗い顔になった。
「当麻の運のなさはまた凄いからな」
「いや、そこでフォローしてくれないのか」
「出来たらしていた」
セッケにしてもというのだ。
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