第二章
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「まずはそこに入ったらどうかな」
「有り難うございます」
課長に礼を述べてだった。
次は引っ越し業者に連絡をして自分のものを家から社宅に入れてだった。
その日のうちにそこに入って暮らしだした、忙しかった報酬に有休を貰ったので暫くそこでゆっくりするつもりだった、だが。
翌日朝早くからその社宅にだった。
杏里と彼女の両親が来てだ、怒って言ってきた。
「本当に離婚なんてする奴があるか!」
「何を考えてるのよ!」
「そうよ、冗談だったのよ!」
「いや、冗談で済まないですから」
夏雄は彼等を玄関に入れずにドア越しに答えた。
「離婚届突き出されたら」
「それでか」
「はい、もう出しました」
区役所にというのだ。
「それで受理してもらったんで」
「杏里と離婚したっていうのか」
「そうです」
彼女の父に答えた。
「もう我慢の限界でした」
「我慢の限界って何よ」
今度は母親が言ってきた。
「本気だと思う方がおかしいでしょ」
「毎日何かあると離婚で」
そう言われてというのだ。
「最後は離婚届出されたんですよ」
「だから冗談でしょ」
「冗談でも堪忍袋の緒が切れましたので」
「それでなの」
「もう話すことはありません」
ドア越しに告げた。
「ですから帰って下さい」
「嫌よ、やりなおしましょう」
杏里も言ってきた。
「もう言わないから」
「気持ちもなくなったから」
妻にはこう告げた。
「帰ってくれるかな」
「帰るって」
「帰らないと警察を呼ぶから」
こう言うとだった。
三人は渋々帰った、しかし。
会社にも来たりスマートフォンにメールやラインでいつも言ってきた、そうして必死にやりなおそうと言ったが。
遂にだ、弁護士を立ててだった。
「そうか、絶縁したか」
「完全に。これ以上何かしてきたら警察沙汰になるとです」
夏雄は課長に共に新しく入ったマンションの一室で話した。
「告げました」
「それでだな」
「終わらせました」
こう言ったのだった。
「完全に」
「それは何よりだな、しかし」
課長はテーブルに向かい合って座って共に紅茶とケーキを楽しむ夏雄に言った。
「いつも離婚なんて言えば」
「誰でも嫌になりますよね」
「そうだよ、ましてや挙句離婚届出されたら」
しかも名前も印も為されているだ。
「私でも切れてだよ」
「本当に離婚しますね」
「そうなるよ、馬鹿な奥さんだ」
「その親もですね」
「全くだ、別れてよかったよ」
「そうですね、本当に」
夏雄も言った、そうしてだった、
夏雄は暫く独身で過ごした、そのうえで再婚したが今度の相手は普通と言えたので幸せになった。その頃にはもう杏里のことは完全に忘れていた。
口癖
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