公私混同
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ハルトの困惑を、可奈美が引き継いだ。
笑顔を浮かべながらスタスタとカウンターの奥へ戻っていく。
コウスケはコーヒーを淹れる可奈美の後ろ姿を眺めながら、にやりと笑みを浮かべた。
「なあ、ハルト」
「何?」
「可奈美って結構可愛いよな」
「いきなりだね」
ハルトもコウスケと同じく可奈美の後ろ姿へ目をやりながら呟いた。
可奈美の赤いラビットハウスの制服は、元々このラビットハウスに備え付けてあったものだった。聞けば、ココアの母親が友達のためにと無数に用意していたらしい。
「なあ、なあ」
コウスケがにししと白い歯を見せながら、口元を抑える。
「お前、可奈美となんか間違いとかねえのか?」
「何期待してんの」
「お前そりゃ、同じ屋根の下で暮らしていて、何もねえなんてことはねえだろ?」
間違い。間違い。
「……間違い!?」
ようやくその言葉の意味を理解したハルトは、器官に水を入れてしまった。
咳き込み、大きく背中を正した。
「びっくりした……何を言い出すかと思えば……そんなの、ないよ」
「お前マジかよ!?」
コウスケはカウンターを叩いた。
「お前実は、世の中の男子が夢見る生活をしてるって自覚ねえな?」
「夢見る生活?」
「はいコウスケさん! アイスコーヒー」
可奈美がコウスケが座るカウンターにアイスコーヒーを置いた。
「何? 何の話してるの?」
至近距離にいたのに、話を聞いていなかったのか、彼女はぐいっと顔をハルトとコウスケの間に埋め込んできた。
ハルトは手を振り、
「いや、何でもないよ? 別に……」
「何でもないってことはねえじゃねえか? 丁度いい」
逃げようとするハルトの首を、コウスケがフックで引っ掻ける。
小さく「グエッ!」と悲鳴を上げるハルトだが、コウスケは構わない。
「ぶっちゃけお前、ハルトのことどう思ってんの?」
「へ?」
「ストレートすぎるだろ! その反応次第で今後の俺と可奈美ちゃんの関係にヒビが入る可能性だってあるのに!」
「どうって……大好きだよ?」
「おおっ!」
コウスケがさらに身を乗り出す。
「だって、いつも剣術の鍛錬に付き合ってくれるし! ハルトさんの剣にはいつもビックリだよ! やっぱり、魔法が混じって来ると普通の剣術とは全く違う引き出しがあるよね! この前の鍛錬の時も、色々……」
「だああああああっ!」
可奈美が少しでも剣に関することを語り出したら止まらない。
それを理解しているコウスケは、話を中断させるためにカウンターへヘッドバッド。
大きな音が立つとともに、可奈美は体をずらして驚愕の表情を浮かべた。
「うわっ! 急にどうしたの?」
「
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