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おっちょこちょいのかよちゃん
228 棘付きの鎖鉄球
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 清正は時の槍を西川の近くに突き刺した。
「こやつが感じる時は止まったままだ。暫くは起きん」
「ありがとな、清正」
 尾藤は礼をした。さりは従弟の方を向く。
「健ちゃん、剣を本部に持ってったの?」
「はい、今本部の一室に保管してあります。これから杖か杯を取り返しに行こうかと思い、まずかよちゃんの杖を取りに行くつもりです」
「そっか、大変よね。杖も杯も取られて。ゆり姉もあり姉も行ってんでしょ?」
「はい、ゆりちゃんは杯を取りに、ありちゃんは俺の友達と一緒に杯の持ち主の子を探しに行っております。はて、この鎖鉄球、ありがとうございました」
 三河口はさりに鎖鉄球を返そうとした。
「ううん、健ちゃんが持ってて」
「え?」
「健ちゃんは武器持ってないし、私は健ちゃんの武器をあげたいって気持ちがあってそれを出したんだから、それ使って」
「はい・・・」
(仮の武器には丁度いいか・・・)
「それでは俺達は先へ向かいます」
「頑張ってね」
「その杖を必ず取って来いよ〜!」
「吹山、プレッシャーかけんなよ」
「ワリイ、ワリイ」
 本部守備班達に見送られて三河口、湘木、冬田は羽根でその場を飛び去った。
(自分の道具を手にするのはまたずっと後になっちまったか・・・)
 そして三河口は自分の武器となった鎖鉄球を見る。
(さりちゃん、それまでこれを自分の得物として振るいます。それから・・・)
 三河口は敵の世界の本部で相対した戦争主義の世界の長と一体化したあの少年を思い出す。
(レーニン、いや、杉山君か・・・。俺のもう一つの目的は杉山君を連れ返し、レーニンを倒して彼が大将になれたか改めて判断する事だな・・・。ありちゃんやりえちゃんが果たせなかった杉山君を連れ返すという役割を引き継ごう・・・!!)
 三河口は己の目的を顧みながら湘木に冬田と共に先に進む。

 レーニンはトランシーバーで報告を受ける。
『こちら東アジア反日武装戦線、佐々木規夫。奥平純三と合流しました。そしてロベスピエール、ダントン、マラーといったジャコバン派の主力達と同行します』
「解った。奴等は杖を取り返す為に奥平純三を追うつもりだ。足止めしておけ」
『はい』
 通信が終了した。そして一軒の屋敷が見える。レーニンは杉山の姿に変わった。
「着いたか。ここに『アイツ』がいるんだな?」
『ああ、早めに済ませ』
 杉山はその屋敷の門を通った。そしてレーニンの姿に戻る。
「私だ。レーニンだ」
「はっ、お通し致します!」
 守衛に通されてレーニンは中に入る。一人の男が出迎えた。
「これはレーニン様」
「紂王。例の小童と杯の持ち主の小娘に会いに来たいと私の身体の核が言うので来たのだ」
「はい、ご案内致します」
 レーニンは目的の少年少女の所へ向かう
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