第三十二話 泳いだ後でその六
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「全くね」
「そうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「悪いことはね」
これはというのだ。
「しないことよ」
「見られたら恥ずかしいことはしても」
「そうよ、悪事はばれるわよ」
そちらはというのだ。
「隠しても何時かはね」
「お天道様は見ているのね」
「人もね」
「誰かがなのね」
「天網恢恢疎にして漏らさずでしょ」
母はこの言葉も出した。
「あんたもそうしたことはあったでしょ」
「ええ、やっぱりね」
「お母さんもだからね」
「悪いことをしてもなのね」
「ばれてね、後で余計に怒られたわ」
「お母さんもそうしたことあるのね」
「誰だってあるのよ」
こうしたことはというのだ。
「それでよ」
「今私に言うのね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「だからあんたも結婚してね」
「子供が出来たら」
「そうしたことはね」
「頭に入れておいてなの」
「聞いたり探したり出させないことよ」
「そうすることね」
「自分のことも考えてね」
そうしてというのだ。
「そのうえでよ」
「黙っていることね」
「ええ、ただあんたのその丸わかりな態度見て今回は言ったわ」
娘に笑って話した。
「今回はね」
「そうだったのね」
「そうよ、これからは聞かないから」
「わかったわ」
一華は母の言葉に頷いた、そうして夕食を食べて後の日常の時間を過ごした。だがその翌日だった。
かな恵達にだ。屋上で一緒にお弁当やパンで昼食を食べながら話した。
「昨日の夜コンドーム買ったわ」
「あら、買ったの」
「ええ、そうしたの」
車座になって食べながらかな恵に話した。
「それで使い方もね」
「調べたの」
「それでも出来るかしら」
一華はお弁当、母が作ってくれたそれを食べつつ首を傾げさせた。中にはお握りと海老フライそしてプチトマトと梅干がある。デザートは苺だ。
「果たして」
「出来るでしょ」
「出来るの?」
「私も使ったことないけれどね」
かな恵は自分のお昼のパン、ジャムパンを食べつつ応えた。
「やっぱり勉強したらよ」
「使える様になるのね」
「最初はわからなくても」
それでもというのだ。
「勉強したらね」
「使える様になるのね」
「それで使っていって」
そうしてというのだ。
「慣れたらね」
「使える様になるの」
「そう、それでね」
「普通になのね」
「使える様になってくのよ」
「そんなものなの」
「何だってそうでしょ」
それこそというのだ。
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