第三十二話 泳いだ後でその四
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「そういうのはよ」
「いいのね」
「そうよ。恥ずかしいものは聞かないから」
「そうなのね」
「だからいいわ、それを無理に出せとか見せろとか言うのは」
そうしたことはというと。
「親失格よ」
「そういうのは聞かないことね」
「ええ、馬鹿親も極まったね」
「そんな親のすることなの」
「お母さんはそう思うわ、まあ人間何かとあるものよ」
母はけんちん汁を飲みつつ話した、梅雨でそろそろ暑くなっているので少し冷まして飲みやすくなっている。
「生きているとね」
「子供でも?」
「子供でも大人でもよ」
それに関係なくというのだ。
「子供だってこっそりカードとか持ってるでしょ」
「カード遊びで」
「自分しか持っていない様な」
「レアカードね」
「上に激が付く様な」
そこまでのというのだ。
「凄いの持っていたらね」
「隠すわね」
「親でもね。お母さんだって子供の頃そういうの持ってたから」
「そうなの」
「ええ、滅多に見付からないお人形があって」
「それ持っててなの」
「今も持ってるけれど」
それでもというのだ。
「今は普通に見せられてもよ」
「子供の頃は違ったのね」
「そうだったのよ」
これがというのだ。
「そういうことがあったからね」
「今そう言うのね」
「これまでの経験を活かして子育てするのが親なのよ」
「経験なの」
「自分のね」
それをというのだ。
「知識や教養もね」
「活かして」
「経験もね」
「それで育てていくのね」
「そうよ、何もなかったらね」
「子育ては出来ないのね」
「ええ、絶対にね」
それこそというのだ。
「出来ないわよ」
「何も知らないで何も経験してこなかったら」
「だから前に話した人はね」
「あの図々しいどうしようもない人ね」
「この人子供作らなかったけれど」
「作っても子育て出来なかったのね」
「というか自分が子供だったから」
子育てどころかというのだ。
「無理だったわ」
「そうなのね」
「もっと言えばこの人の母親が酷くて」
「それでそんな人になったのね」
「生きていてずっと好きなことをしてね」
「育児放棄?」
「この人だけ甘やかして」
そうしてというのだ。
「全くね」
「まともな子育てしなかったの」
「ええ、下にお子さん二人おられたけれど」
「その人達はほったらかしで」
「その人だけ徹底的に甘やかしていたのよ」
「それでそんな人になったのね」
「ええ、それでその好きなことばかりした母親は」
本人の話をさらにした。
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