令呪オークション その1
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。
もし、サーヴァントが敗退し消滅した時にマスター側に令呪が残っていた場合、その令呪はどうなると思います?」
令呪と言うのはマスターの絶対命令権であり、サーヴァントがこの世界に現界する為の鍵でもある。
だからこそ、その扱いだけでも漏れ伝わるものでもある程度の推測ができてしまう。
「第四次聖杯戦争で使われたセルフギアス・スクロールが残っていましたよ。
『全ての令呪を使い尽くしてサーヴァントを自害させれば、衛宮切嗣はケイネス・エルメロイ・アーチボルト、並びにソラウ・ヌァザレ・ソフィアリの両人を対象とした殺害・傷害の意図、及び行為を永久に禁則とする』。
なお、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトとソラウ・ヌァザレ・ソフィアリはこの戦争で死亡しています」
「マスターが死亡しても、サーヴァントの再契約が可能って事かしら?」
「でしょうね。
そうなると、リタイヤしたのに令呪を持つマスターが問題になります。
監督している聖堂教会にはこの令呪を無効化もしくは移動させる技術があるんでしょうね」
そうなると、筋としては彼女を言峰綺麗神父の所に連れてゆく事になるが、既に私は遠坂凛の後見人としての言峰神父の評価から彼に対する信頼はなかった。
何よりも、未だ六導玲霞の件で何も言ってこないあたり真っ黒と確定せざるを得ない。
「英国で捕まえた事で、おそらく時計塔--魔術協会--に情報が流れました。
バゼット・フラガ・マクレミッツの件も含めて、聖堂教会も新しい人間を送り込んでくるでしょうね。
その際に売り払ってしまうのが一つ」
アンジェラのあまりいい顔をしないのを確認して、私はもう一つの案を出す。
というか、金を払わせた以上こっちが本命である。
「アンジェラさん。
貴方の組織でプレイヤーを用意してください。
そのプレイヤーに聖杯戦争に出てもらいましょう」
「払った十億円の元は取り返さないとね。
いいわ。
それで手をうちましょう。
令呪の移動については?」
「こっちに来る聖堂教会の人間に任せてもいいし、最悪手首ごと渡すってのもありです。
精巧な義手ぐらいは用意しますよ」
この世界には封印指定を受けた人形師という魔術師もいる事だし、困りはしないだろうとという結論をだそうとして……
ピンポーン♪
鳴るはずのないドアホンが鳴り、二人して顔を強張らせる。
アンジェラの方が拳銃を取り出すが、私が手で制す。
「おそらく、護衛が無力化されています。
退路も塞がれていますよ」
もちろん、全力を出せるのならばこのぐらいの窮地はどうってことはないのだが、それをすれば否応なくアラヤの抑止力に破滅させられる。
それよりも、王手ま
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