第二百五十一話 福州沖の海戦その六
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「今四人は長沙を掌握した」
「あの省の中心都市ですね」
紅美が応えた。
「まさに」
「もうあそこを掌握するとはな」
「やってくれますね」
「しかも略奪暴行も許してへん」
このことは施達そして他の勢力の者達も同じである。
「そのこともや」
「四人共ええ娘達です」
紅美はこのことを保証した。
「ほんまに」
「そうみたいやな、ほんまに」
「施さんはいい加減と言われますが」
「怠け者とも言うたで」
施は笑って返した。
「あの四人をな」
「そうした面まもあるかも知れないですが」
「人としての筋はやな」
「しっかり通すんで」
そうした者達だというのだ。
「そやからです」
「そうしたことは許さへんな」
「はい」
そうだというのだ。
「あの娘達は」
「人の道からは外れへんねんな」
「そうです」
「瑠璃子さん達にお任せしていいかと」
王も言ってきた。
「湖南省の方は」
「そうみたいやな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「ここはです」
「湖南省はこれまで通り四人に任せて」
「僕達は僕達のやるべきことをです」
「やっていくか」
「あちらは大丈夫なので」
「張達にも有利に戦えるか」
「少なくとも長沙を失うことはないかと」
掌握したその街をというのだ。
「機も見る人達なので」
「そうか、ほな自分等はな」
「泉州に向かいますね」
「省全体の掌握を進めながらな」
「わかりました」
王だけでなく紅美もだった。
施に頷いて応えた、施は早速福州の掌握にかかり将兵だけでなく艦艇や物資も集結させた。そうして省全体の掌握を進め。
それと共に泉州への進撃の用意もしていた、そのうえで軍議の場で仲間達に話した。
「泉州の掌握の後やな」
「どう攻めてくかですね」
「そや、厦門は攻めにくいさかいな」
紅美に応えて話した。
「相手もそれがわかっててな」
「守りを固めてますね」
「要塞化してるやろ」
「はい、間諜からの報では」
「そこを攻めるよりな」
「他の場所ですか」
「要塞はどうしても攻めなあかん場合以外は避ける」
そうするというのだ。
「下手に損害を出すことはな」
「ほな厦門もですか」
白が言ってきた。
「出来れば」
「そや、攻めることを避けたいわ」
「そうお考えですか」
「今はな、しかしな」
「それでもですか」
「厦門は要地やからな」
施は難しい顔で述べた。
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