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夢幻水滸伝
第二百五十一話 福州沖の海戦その四

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「布陣を整えてや」
「攻めてきますか」
「そうしてくるわ」
「ここはどうしますか」
「もうすぐ敵の攻撃射程に入る」
 郭は美蓮に答えた。
「数は優勢でしかも攻撃は施が正確に当ててくる」
「そやからですね」
「ここは撤退や」
「そうしますか」
「こうなっては劣勢は覆らん」 
 施は鋭い目で述べた。
「戦っても損害を出すだけや」
「ここで損害を出すとですね」
「制海権を守れん様になる」
「そやからですね」
「艦艇に無駄な損害を出さん為にも」 
 制海権を維持する為のそれをというのだ。
「先にや」
「撤退してですね」
「戦力の温存を計るで」
「わかりました」
 蓮美も頷いてだった。
 二人はすぐに艦隊を撤退させた、その際施達の艦隊の攻撃を受けて駆逐艦が三隻巡洋艦が一隻中破し動きを停めた、施はそれを見て白に言った。
「動きを停めた敵艦は鹵獲してや」
「そのうえで、ですね」
「こちらの港まで曳いていってな」
 そうしてというのだ。
「自軍に入れるで」
「そうしますか」
「そや、しかし郭達もやるわ」
「素早い撤退でしたね」
 白は認める声で応えた。
「実に」
「ほんまにな」
「敗北が明らかと見て」
「こちらと砲撃戦を行うことなくな」
「その前に撤退しましたね」
「その機を見る目がな」
 それがというのだ。
「やるわ、郭やな」
「あの人の判断ですか」
「出来るわ、敵ながら見事や」
 施はこうも言った。
「ほんまにな、しかしな」
「それでもですか」
「この海戦勝った」
 このことは事実だというのだ。
「この海域は自分等のもんとなった」
「そやからですね」
「福州の後方に回ってな」
「軍を上陸させますね」
「自分自ら率いてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「敵の後ろに回りますか」
「そうする、ただ敵もそれは読んでる」
「この動きもですね」
「海戦に負けた時点でな」
「上陸されることはですね」
「そしてその場所もな」 
 このこともというのだ。
「わかっててな」
「そやからですね」
「後ろに回られて挟み撃ちされたら負けるだけや」 
 そうなるというのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「敵軍は撤退する、温州からもな」
「そうしますか」
「そやからな」 
 それ故にというのだ。
「自分等は温州を掌握するで」
「そうしますか」
「そして今後の戦の拠点にする」
 温州のこれからの用途の話もした。
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