第二百五十一話 福州沖の海戦その二
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「来たわ」
「そうですか」
「ほなここは迎撃や」
郭は施が積極的に攻めてきたことに苦い気持ちになった、自身の思惑通りでなかったからである。だがそれでもだった。
これは戦だ、それで言うのだった。
「敵にこの布陣のままや」
「攻撃ですね」
「そうするで、先頭の艦からな」
「攻撃を加えますね」
「砲撃に術の攻撃でな、やるで」
こう言ってだった。
郭は三列の一列縦隊で来た施達の艦隊への攻撃に入った、即座に砲弾が轟音と共に雷雨の様に放たれ術もそれと共に放たれた。
凄まじい攻撃が施達の艦隊の先頭の艦に迫る、だが。
その攻撃は術による防壁の前にかなり防がれる、それにだった。
かなり弱められた攻撃は戦艦の分厚く堅固な装甲にはまるで効果がない、白はその状況を見て言った。
「これは」
「そや、こうした時真っ先に狙われるのは先頭の艦やな」
「先頭の艦を動けなくするとです」
「続く艦艇の動きもな」
「一時止まりそこからまた動くので」
「時間のロスと乱れが生じるな」
「そこをさらに狙えます」
旗艦の艦橋の隣にいる施に話した。
「それで勝機を掴めます」
「そや、しかしな」
「先頭の艦が集中攻撃を受けることはですか」
「自分も承知や」
既にというのだ。
「最初からな」
「そやからですね」
「先頭の艦艇は戦艦にした」
「艦艇の中で最も防御力の高い」
「しかも術で守りを極限まで高めた」
「そうもしましたか」
「この艦もな」
「僕達も術を使いましたし」
「こうすれば大抵の攻撃をや」
「防げますね」
「そうするで、それで敵艦隊に切り込んでな」
「左右からですね」
「砲撃や、術での攻撃も行って」
そうしてというのだ。
「手空きのモンは甲板に出て銃撃や」
「それを行いますか」
「そうするで」
「銃撃も行いますか」
「そや、そしてや」
「敵を攻撃しますか」
「そして郭達が術を使う様やったら」
施はその場合も話した。
「自分が出る、その間指揮は頼むで」
「そうされますか」
「そや、艦は左右の攻撃を行って敵艦隊を寸断してな」
その様にしてというのだ。
「それぞれ囲みもしてな」
「攻撃していくのですね」
「至近での攻撃を与えてな」
そうしつつというのだ。
「沈めてくで」
「それでは」
「そうした考えやが」
ここでだった。
施は目の光を鋭くさせた、そのうえで白に話した。
「敵もさるものや」
「こちらの考えを読んできますか」
「ある程度の段階でな」
「突撃し敵を寸断し包囲から各個撃破に移る」
「その戦術をな」
「そうですか」
「そやからな」
それでというのだ。
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