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あいつの女ということに強引にさせられて
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 いちごの発表の日。会社の電話に掛けてきたので、穣一郎さんが工場の中に居た私を呼びに来た。

「お姉ちゃん 携帯に掛けても出ないんだものー 受かったよ お母さんにも、今、連絡した」

「そう 良かったねー 頑張ったね 今晩お祝いね」

「ウン お母さんが お寿司買って帰ってくるって 出来るだけ、早く帰るって」

「そう でも 本当に頑張ったね いちご えらいわ」

 私、電話を切った後もしばらく動けなかった。

「すぐり 受かったのかい 良かったね」と、穣一郎さんが声を掛けてきて、初めて気がついたのだ。

 お母さんより、私の方が帰るのが早かったんだけど

「お姉ちゃん あのさー・・」

「いちご えらいわね 良かった」

「ウン それは、いいんだけど・・ 慎吾から連絡あってね 受かったこと言ったら・・ 会いたいって言ってきたんで ウチ 会う気ないからー それに、もう、お付き合いしてる人いるから・・って断ってしまったんだ」

「あららー いいのー いちご それで・・」

「うん ウチなぁー 新しい生活始めるんだー」と、あっさりしていた。

 お母さんは、早い目に帰ってきた。手には、買い物袋がいっぱいだった。最近、この人は感じが変わったと思っていた。私の結婚が決まってから・・。

「すぐり いちごの授業料の心配はしなくていいわよ お母さんが出すから・・ 今まで、貯めていたんでしょ それは、すぐりが新婚生活に使いなさい」と、食べ終わった後、言ってきた。

「ええー お母さん・・ だって そのつもりしていたし、これから、いちごもお金かかるやん」

「いいの なんとかするわ それより、すぐりには何にもしてあげれてないから・・自分の為に使いなさい 赤ちゃん できたら、お金かかるわよー」

 私は、この人から初めて母親らしいことを言ってもらえたような気がしていた。 
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