第70話 怪盗紳士
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side:フィー
情報を集めたわたし達は情報の交換をしていてその中で幽霊が旧校舎の方に向かったという事が分かった。
その際にエステルが白い影を見てしまい気を失ってしまうという事が起きたが、かえってエステルはやる気を出したようでわたし達は夜の旧校舎に向かう事になったよ。
「いないと思っていたから怖かったのであって実際に見ちゃった以上もう怖がってなんていられないわ!もう二度と人を脅かせないように徹底的に成仏させてやるんだから!」
「あはは……エステルさん、凄いやる気ですね」
「見ちゃったことで逆に火が付いちゃったみたいだね」
なんかテンションの上がっているエステルを見てクローゼが苦笑いをしていた。まあ怖くて気を失っちゃったし少し恥ずかしい所もあるけど気絶させられたことにすっごく怒ってるみたいだね。
「しかし深夜の旧校舎に向かう事になるとは肝試しには持って来いのシチュエーションだね。帝国のある学園にも旧校舎があったけどそこも結構雰囲気があって面白かったよ」
「いいですね〜お化けさんの表情もバッチリ写しちゃいますよ」
そんな中オリビエとドロシーだけマイペースにそんな事を言っていた。
「あれが旧校舎です」
「うっ……如何にもって感じね」
「へぇ、お化けが出るっていう場所の雰囲気としてはピッタリだね」
「うんうん、これでこそ肝試しだねぇ」
クローゼに案内されてきた旧校舎はいかにもお化けが出そうな古い建物だった。
「あれ、扉に何か挟まってるよ」
「本当ね、何かしら?」
わたしは旧校舎の入り口の扉に何か細いものが挟まっている事に気が付いた。エステルは近づいて確認するとそれはカードだった。
「何か書いてあるわね……どれどれ?」
エステルはカードに書かれた文字を読んでいく。それは所謂挑戦状でわたし達に怖くないならここまで来いって感じの内容だった。まあ実際は詩的な内容だったけど。
エステルが内容を読み終えるとカードは勝手に燃えてしまった。エステルが火傷していないか心配だったけど何ともないみたいで良かったよ。
「何よコレ!あたし達を馬鹿にしてるのかしら!?」
「ふむ、ご丁寧にヒントまでくれるとは……余程遊びが好きな幽霊みたいだね」
エステルはお化けにからかわれていると思い怒ってしまった。逆にオリビエは期待に胸を膨らませるように笑みを浮かべる。
対照的な二人だね。
「上等よ!絶対にとっつ構えて成仏させてやるんだから!」
「おー」
勢いよく旧校舎に入ったわたし達だったが内部は暗く冷たい空気が漂っていた。たいまつの火だけが怪しく揺らいでいる。
「誰もいないわね
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