第70話 怪盗紳士
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一人だといざという時に戦えないからね」
この先は危険だと判断したわたし達はドロシーを安全な部屋に待機してもらうことにした。護衛としてオリビエが残るというが彼の実力なら問題は無いだろう。
わたしはエステルとクローゼと共に旧校舎の地下を進んでいく。
「出来ればクローゼも残ってほしかったけど……」
「ごめんなさい、フィーさん。でもどうしても何が起きているのか知りたかったんです。大切な学び舎で何者かが何かをしようとしてるのは確実ですから……」
「まあ幽霊だろうと人の手だろうと近くで変な事をされていたら不安よね」
わたしはクローゼにも残ってほしかったが彼女は異変の正体を知りたいと話す。まあエステルの言う事も理解できるし最悪わたしがクローゼを守ればいっか。
「でもこうして地下遺跡を進んでいると西風の旅団の皆に鍛えられていた時を思い出すわね。あの時はゼノさんの作ったトラップに引っかかって酷い目に合ったわ」
「エステルを爆発から守ろうとしたリィンがパーマかけたみたいになったのは不謹慎だけど笑っちゃったよ」
「た、大変な目に合ってますね、リィンさんも……」
エステル達とそんな会話をしながらも油断せずに地下遺跡を進んでいく。幸いトラップなどは無く魔獣にさえ気を付けていれば問題は無かったよ。
そして地下遺跡の奥にたどり着いたわたし達は広い空間に出た。
「誰かいるわ!」
その空間の奥に何やら白いマントを羽織った人物が立っていた。
「あれってあたしが見た幽霊にそっくりだわ!」
「ん、でも気配はあるし足もちゃんとあるよ」
「……あの!貴方はココで一体何をしているんですか!」
エステルは自身が見た幽霊にその人物が似ていると話すが、わたしは気配もあるし実態も感じるのでそれが人間だという。クローゼは意を決してその人物に声をかけた。
「フフフ……ようこそ、我が仮初めの宿へ。歓迎させてもらおうか」
そのマントを羽織った人物は男だったらしくこちらに振り向いた。
でも前から見るとやっぱりおかしな恰好をしているね、白い服にマントに杖、そして仮面……なんか前にリィンと見に行った帝国の劇場に出てた登場人物に似てる。
「あんたが幽霊の正体なの!?人間なのか幽霊なのかはっきりしなさいよ!」
「如何にも、あの影の正体は私だよ。このショーは楽しんでもらえたかね?カシウス・ブライトの娘、エステル・ブライト」
「お前、エステルの名前を……!」
「彼女だけじゃない。猟兵王ルトガー・クラウゼルの義理の娘フィー・クラウゼル、そしてこのリベール王国の姫君であるクローディア姫……こうしてお会いできて光栄だよ」
「わ、私の正体まで……!?」
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