第70話 怪盗紳士
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わたし達はカードに書かれていた南を向く生徒を探すことにした。でも使われていないだけあって汚いね。
「うう……もしお化けだったらどうしよう」
「エステル、さっきまでと言っていたことが違くない?」
「だってあの白い影はなんか見ちゃったら怖いってより腹が立ってきたけど別のがいるなんて聞いていないもん……」
「そんなに変な幽霊だったの?わたしも見て見たかったな」
よほどその白い影の幽霊はおかしな恰好をしていたようだ、かえって興味が湧いてきたよ。
「あっあそこに何か影があるよ〜」
「あ、あんですって!?」
ドロシーの発言にエステルは飛び上がってクローゼの背に隠れてしまった。確かに人影があるね、でもアレは……
「エステル落ち着いて。これマネキンだよ」
「へっ……?」
わたしは用心しながら近づくとそれはマネキンだった。ご丁寧にボロボロになったジェニス王立学園の制服を着せているからお化けは中々に凝ってるみたいだね。
「あったまきた!こんなにも馬鹿にされたのは初めてよ!!」
「落ち着いてエステル君、とにかくこの席を調べてみよう」
「向いている方向も南だからカードに書かれていた事と一致しますね」
エステルをなだめながら机の中を確認するとまたカードが入っていた。
「オリビエ、それ読んでみて」
「僕がかい?別にいいけど……ふふっ怖がるエステル君は可愛いなぁ?」
「いいから早く読んでよ!」
二度ビックリされたエステルは凄く警戒してオリビエにカードの内容を読ませた。その内容は『落ちたる首』を探せとの事だった。
「首……どうせマネキンとか何かの首でしょ?この後カードに何かしら起こるのは分かってるんだからね!」
エステルはそう言うけどオリビエの持つカードには何も起こらなかった。
「あ、あれ……?」
「お化けさん分かってますねぇ〜、何度か驚かせた後に敢えて何もアクションを起こさないでこちらを翻弄する……前に取材した手品師の言ってたやり方みたいです」
「な、なによそれはー!!」
ドロシーの言葉にエステルはまた怒ってしまった。ここまでいいように翻弄されているのを見るとお化けも凄く楽しいんだろうなって思ってしまった。
「もう!さっさと落ちたる首とやらを探してお化けをとっちめるわよ!」
そろそろ本気で怒りそうなエステルの勢いに飲まれてわたし達は旧校舎内を捜索していく。そして庭園に倒れて折れた台座にカードが入っていたのを発見した。
「首っていうからまたマネキンかと思ったけど今度はそうじゃなかったわね。えっと内容は……」
カードには最後の試練に臨めと書いてありエステルが
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