第70話 怪盗紳士
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……確かさっきのカードには『虚ろなる炎』がどうたらって書いていたわよね?」
「はい、まずはそれを探してみるのが良いかもしれませんね」
「まあ罠の可能性もあるけどそこはわたしに任せて。トラップは慣れてるから」
「なら早速探索を始めましょう!」
そしてわたし達は幽霊の指示通り虚ろなる炎を探すことにした。
罠の可能性も十分あるけどその時はわたしが対応すればいい。トラップの解除はリィンより得意なの、えっへん。
「虚ろなる炎って事は要するに火の事よね?」
「ん、多分そうだね。大広間にはある火といえば……」
「たいまつくらいですね。そういえば何故たいまつが灯されているのでしょうか?ここ最近は旧校舎には誰も立ち寄っていないはずなのに……」
虚ろなる炎を探すがそれっぽいのはたいまつの火だね。クローゼは誰も入っていないはずの旧校舎に何故たいまつの火がともされていることを不思議に思っていた。
「恐らく幽霊の仕業だろうね」
「へぇ〜ご丁寧なお化けさんもいたものですねぇ」
「あんた達ねぇ……」
マイペースさをなお保ち続けるオリビエとドロシーにエステルは溜息を吐いた。
「まあまあ……とにかくたいまつを調べてみようよ。ただ罠の可能性もあるからわたしが調べてみるね」
「お願いね、フィー」
さっきカードが燃えたみたいに調べたら炎で焼かれる……なんてパターンもあり得たので取り合えずトラップに慣れているわたしがたいまつを調べることにした。
「あれ?よく見たら火がついていない燭台があるね」
中を確認してみるとそこにはカードが入っていた。これはビンゴだね。
「何か見つけたの?」
「うん、カードがあったよ。呼んでみるね」
カードの内容は『南を向く生徒』を探せって書いてあったよ。すると今度はカードは燃えずに派手な音と共に紙吹雪をまき散らして消えちゃった。
構えていたエステルはひっくり返る程驚いていた。
「も〜!なんなのよー!!」
「パターンを変えてくるとはなかなか芸が細かいね」
「お化けを誉めるなー!!」
翻弄されるエステルはお化けを褒めたオリビエに怒った。
「エステルさん、落ち着いてください。とにかく今はその南を向いた生徒を探しましょう」
「そ、そうね。お化けなんかに負けていられないわ!早速その生徒を探しましょう」
「でも生徒ってこんな時間に旧校舎にいるものなんですかね〜?もしかしたら過去に旧校舎で死んだ生徒の霊だったりして……」
「止めてよドロシー!お化けなんてあのおかしな仮面をつけた奴だけで十分よ!」
クローゼがエステルを落ち着かせるけどドロシーの余計な一言でまた怖がっちゃったよ。
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