第2部
ランシール
地球のへそ
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ばわかるはず。
だが、歩けど歩けど同じ道が続くばかりで、何も変化がない。まるで同じ道を何度もループしているような、奇妙な感覚だ。
何かがおかしい。言い知れぬ不安がさらに大きくなり、私は内心焦りだした。
このままずっと、一人でここにさ迷い続けなければならないのでは!?
次第に胸の奥のざわめきが大きくなり、自然と歩調が速くなる。
ふと、道の端々に、何か白いものが置かれているのが見えた。よく見るとそれは人の骨であり、それがあちこちに散乱している。
「……!!」
私は声にならない声を上げ、恐怖をその場で無理やり飲み込んだ。だめだ、余計なことを考えちゃ。私はなるべく視界に入らないよう、足早に歩を進めた。
「あれ? あそこって……」
視界の隅に見えたのは、先ほど背中に当たった特徴的な岩壁の突起だった。ずいぶん前に通り過ぎたと思ったのに、なぜ進む先に見えるのだろうか?
不審に思い、私は足を止めその突起を凝視する。位置といい、大きさといい、やはり同じものだ。
ということは、今まで同じ道を何度もぐるぐると回っているということだろうか? その割には、ずっとまっすぐに進んでいるような感覚なのだが、考えてもわからない。
ここの洞窟の内部構造はいまだによくわからないが、このままではらちが明かない。きっとどこかに抜け道のようなものがあるはずだ。
私はゆっくり深呼吸をしながら、注意深く周辺を見回した。大丈夫、落ち着いて周りをよく見なきゃ。
そして、歩き始めて数十分。何気なく今いる場所から、かすかに風が吹き込んでいるのに気付いた。けれど怪しいと思いながら見回しても、それ以外はほかの場所と何ら変わりがない。どうしようかと思いあぐねて上を見上げた瞬間、私は思わず「あっ」と声を上げた。
自分の身長の二倍ぐらいの高さのところに、穴が開いている。その穴へと風が吹きこんでいたのだ。
ここを登った先に、道があるかもしれない。瞬時にそう思い至った私は、すぐに足場を確認し、岩壁を登り始めた。壁の岩は固く、ちょっとやそっとじゃ崩れそうになかった。けれど垂直で不安定な足場は、少しでも足を滑らせると真っ逆さまだ。私は幼いころの木登りの経験を頭をフル回転して思い起こし、慎重に進んでいく。
ゆっくりと、けれど確実に上へと上り詰め、ようやく穴のある場所へと到達した。顔を上げると、やはりそこは道になっており、先へと続いていた。
少しずつだが、確実に前へと進んでいる。私は気合いを入れると、体勢を整え先を急ぐことにした。
「はあ……、はあ……」
もはや、どれ程の時間が経過しているかも分からない。仄暗い洞窟内には外の景色など見えるはずもなく、自分の体力の消費具合で判断するしか術はない。
加えて、この修行場の道は、人が通ることを前提として考
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