暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百二十三話 黄蓋、策を見破るのことその五
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それなら今度はです」
「南西から北東か」
 魏延も馬鹿ではない。すぐにこう察したのである。
「そう来るか」
「そうです。ですから」
「すぐに移るわよ」
 郭嘉の言葉を受けてだ。曹操がすぐに指示を出した。
「ここには物見の兵だけを置いてね」
「はい、そうしてですね」
「南西から来る敵に備えますね」
「ええ、急ぐわよ」
 今度もだ。そうしなければならなかった。
「さもないとまた攻撃を受けるわ」
「また船で来るのかよ」
 火月、火を使うので今回は出番がなかった彼が曹操に尋ねた。
「火薬を満載したあの船で」
「いえ、おそらく今度はです」
 郭嘉の読みが続く。
「人です」
「人!?」
「人が乗ってくる?船に」
「そうなるってのかよ」
「はい、彼等は既に多くの火薬を使っています」
 船に積んでいたその火薬のことだった。
「その量をみますと」
「そうね。流石にこれ以上の火薬を出すことはね」
「できません。それにです」
 曹操に応えながらだ。郭嘉は話していく。
「彼等も間違いなく兵を出していますから」
「そしてその兵であらかじめ切り込む為にも」」
「既に動かしてきている筈です」
 そしてその兵がだというのだ。
「ですから」
「よし、人か!」
「それならそれでやってやる!」
 こうしてだった。彼等はだ。
 すぐにそちら側に向かった。そのうえで護りを固める。
 そこの港には主だった面々が揃っていた。その中でだ。
 魏延がだ。こう劉備に言った。二人もいるのだ。
「桃香様、ここはです」
「うん、敵が来たらね」
「桃香様は私が御護りします」
 ここでも劉備第一の魏延だった。そうしてだ。
 さらにだ。彼女はこうも劉備に話した。
「そして敵が来ればです」
「倒すしかないわね」
「私の傍から離れないで下さい」
 それは絶対にだというのだ。
「決して」
「うん、じゃあ焔耶ちゃんも」
「私のことは御心配なく」
 劉備に言われてだ。実は飛び上がらんばかりに嬉しかった。それは顔にも出てしまっていた。そしてそのうえでさらに言うのであった。
「ここで死ぬことはありません」
「絶対によね」
「はい、何があっても」
 こう言ってだった。その得物の金棒を手に敵を待っていた。そしてだ。
 無数の船達が来た。その数は。
「さっきより多いな」
「それもずっと」
「何だよこの数」
 あの三人組がこうぼやいていた。
「これは水際で全部退けるとかは無理だな」
「まず無理ですぜ」
「そう、どう考えても」
 いつも真ん中にいる無精髭にチビとデカが言う。
「けれどここで死んでもですぜ」
「そんなの嫌だ」
「そうだよ。生き残る為に戦わないとな」
 この三人にしても戦う理由があった。そしてその
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ