第三十一話 しっかりした人その十三
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「今でも注目されてるのに」
「それで想像される可能性が大きいのに」
「成海っちが相手でもそうしたことしたらね」
「相手はそうしたことで頭が一杯だから」
「襲われるわよ、十五で子供作った人もいるのよ」
「十五歳で?」
「男の人でね」
清の康熙帝がそうである、この名君は後継者候補の数も実に多く最初の子はその年齢でもうけているのだ。
「そうした人もいるし」
「私達と同じ頃に」
「もっと言えば私達もでしょ」
「もう赤ちゃんできるわね」
「ええ」
かな恵はその通りだと答えた。
「そうよ」
「そう思うと余計に注意しないといけないわね」
一華は深刻な顔になって述べた。
「妊娠とかね」
「そんなの結婚してからでしょ」
富美子も何時になく真顔で言った。
「それでお父さんは旦那さん」
「それしかないわよね」
「あるでしょ、間男とか汚嫁とか」
「それで後で離婚とか慰謝料とか」
「不倫だけでもそうなるのに」
「赤ちゃんまでとなったら」
「後で人生終了にならないのはそうした漫画だけよ」
フィクションの世界だけでのことだというのだ。
「実際はね」
「そこから修羅場よね」
「裁判沙汰にもなってね」
「慰謝料支払うことになって」
「それで間男なんてどうせ碌でもないのだし」
「人妻に手を出す位だからね」
「後の人生なんてね」
それこそというのだ。
「終了の後のね」
「碌でもないものになるわね」
「結婚しなくて子供産んでも」
この場合もというのだ。
「現実問題大変でしょ」
「そんな風になるわね」
「シングルマザーって大変よ」
富美子の顔も言葉も何時になく真剣なものだった、そこにはシビアな現実彼女が知っているそれが存在していた。
「結婚しないで十代で子供産んだ人知ってるけれど」
「そのシングルマザーね」
「もうパート幾つも掛け持ちして子育てしてだから」
「忙しいみたいね」
「それでお金ないから」
「その人ちゃんと育児してるのね」
留奈は富美子にこのことを問うた。
「そうしてるのね」
「ええ、ちゃんとね」
富美子もそれは大丈夫だと答えた。
「高校中退で資格もないけれど」
「頑張ってるのね」
「お子さんはちゃんとね」
「育ててるのね」
「十六で子供産んで、で親御さんにも見捨てられてだけれど」
それでもというのだ。
「パート幾つも掛け持ちしてね」
「お子さん育ててるのね」
「女の子をね、育児放棄も虐待もしないで」
そうしてというのだ。
「ちゃんとしてるわ」
「そのことはいいことね」
「それで今度天理教の教会の跡継ぎさんと結婚するらしいの」
「そうなの」
「ええ、天理教のお話聞いてるうちに親しくなってね」
それでというのだ。
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