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夢幻水滸伝
第二百五十話 三つ巴のはじまりその十

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「聞いただけや、ここはな」
「よりですね」
「情報を集めますね」
「敵軍の数に兵種の状況に配置に」 
 それにというのだ。
「出来れば補給の状況それに敵将とかもな」
「知りたい」
「そうなのですね」
「敵を細かく知ってこそや」
 まさにというのだ。
「戦は充分に戦えるもんやろ」
「有利にですね」
「そうですね」
「こっちが動いたことは敵も知ってる筈や」
「それは確かに」
「言うまでもないですね」
 二人は施の言葉にそれはと頷いて応えた、何しろ六十万の大軍が動いたのでそれを知られない筈がないことだからだ。
「ほんまに」
「あちらも知ってますね」
「そやからな」
 施は二人に真剣な顔で話した。
「国境に兵も置いてるし」
「その敵のことを知る」
「今以上にですね」
「そうするで、進軍を続けつつな」
 そのうえでというのだ。
「よりや」
「敵の情報を集める」
「そうしますね」
「そうするで」
 こう言ってだった。
 施は斥候を増やしかつ空からも空船や空を飛べる将兵を使って敵軍をより見た、そうして情報を集めてだった。
 敵のことを知った、その状況は」
「敵は三十万か」
「そして敵将は郭さんと李さんですね」
「まさにお二人ですね」 
 王と紅美は施に軍議星の者達の間のそれで話した。
「それで国境で守りを徹底的に固め」
「こちらを迎え撃とうとしていますね」
「海には水軍も配し」
「そうして」
「安徽省の南や湖南省の兵は守りそして陽動と見抜いてるな」
 施は今地図を見ていた、そこに報を聞いて置いた敵軍を示す駒と自軍を示す駒をそれぞれ置きその配置と数を確かめつつ言った。
「そやから守りは最低限にしてな」
「そうしてですね」
「主力をこちらに向けてきましたね」
「そうしてきたわ、二人共アホやない、むしろ」
「賢明である」
「そうだというのですね」
「そや、本命はこの軍やとな」
 自分達が率いている軍だというのだ。
「見抜いてる、そやからな」
「ここで、ですね」
「食い止めるつもりですね」
「そうやな、しかしそう来るならや」
 施は二人に地図を見つつ話した。
「こっちにも手がある」
「といいますと」
「どうされますか」
「数と装備で押してもええが」
 施はこの戦い方も話した。
「ここは白も呼んで思い切った戦をするで」
「白さんもですか」
「水軍を率いておられるあの方も」
「我が軍は陸と海から攻めてるな」
「はい、連動して」
「そうしています」
「一つになってな、それやと水軍もや」
 こちらの軍もというのだ。
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