第六十三話 夏が近付く中でその四
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「まだね、ワーグナーさんもね」
「リヒャルト=ワーグナーですね」
「借金は踏み倒して尊大で図々しくて反ユダヤ主義で弟子の奥さん獲ったけれどね」
「最悪ですよね」
咲もかなり引いて応えた。
「それって」
「そんな人でもね」
「それでもですか」
「確かな考えがあって女性の権利も擁護していたし」
そして友人とも親しく接してはいた。
「この人も敵は多かったけれど」
「周りに人もいたんですか」
「そうよ、三人共あの都知事さんよりは」
「ましですか」
「人間的にね」
「そうなんですね」
「まだね、あの震災の時の首相も見たらわかるでしょ」
東北の大地震の時のというのだ、東京都民にとってもこの震災は忘れられないものになっているから副部長も言うのだ。
「人間性があんまりにも酷いと」
「立場があっても」
「元首相なんていう凄いのがね」
「それでも誰も傍にいなくなりますね」
「あの都知事さんだって今は周りに誰もいないわよ」
「性格が酷過ぎて」
「二人共それがはっきりしてるから」
元首相もあの都知事だった者もというのだ。
「人間性が酷過ぎて。立場が才能になっても」
「同じですね」
「酷過ぎたら」
その人格がというのだ。
「そうなるのよ」
「誰も周りにいなくなりますか」
「親戚の間でも」
即ち身内でもというのだ。
「集まっても誰も話しかけないで目も向けない」
「そうなるんですね」
「あんまりにも嫌われているとね」
「親戚でもですね」
「もう誰も話しかけないで」
そこにいてもというのだ。
「顔を向けることもね」
「してもらえないんですね」
「そうなるのよ、やっぱり人間一番大事なのは」
「人格ですね」
「そうだね、中学の時同じクラスにとんでもない性格の奴いたけれど」
部長も言ってきた。
「今高校で有名な嫌われ者らしいからね」
「有名なですか」
「兎に角底意地が悪くて弱いものいじめが大好きで強い相手にはへらへらして自分より下と見ると物凄く馬鹿にする奴だったんだ」
「確かにかなり性格悪いですね」
「部活の出席簿他人のを出席しているものまで改竄して全部欠席にしたりね」
「そんな人部活に置いたら駄目ですね」
「僕そんな部員いたら即刻退部にするよ」
部長は言い切った。
「それは何があっても許されないことだからね」
「出席簿改竄するとか」
「そうだよ、出席したものまで欠席にするとか」
その様に改竄することはというのだ。
「悪意が明らかでそこまで悪意があるとね」
「もう退部にしますか」
「笑って済まさないから」
温厚で知られる部長も何時になく怒って言っていた。
「もう顧問の先生にもお話して」
「退部にしますか」
「絶対にそこからもっと酷い悪事もするから
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