第五百五話 温泉も楽しみその十一
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「現に確かな人は絶対に言われないです」
「そんなことはね」
「間違っても」
「そうよ」
「尊敬はされたいと思わないことね」
レオナはあっさりと述べた、湯舟の中で実に艶やかである。
「そんなことを求めるより」
「努力することですね」
「やっぱりね」
それがいいというのだ。
「本当に」
「まあね、尊敬なんてね」
楯無も言った。
「されたら荷が重いしね」
「そんなものはそうね」
翔子も言った。
「愛情はよくても」
「そう、愛情だけでいいのですよね」
白雪は翔子のその言葉に応えた。
「必要なものは」
「そうよね」
「他には一切」
「いや、あんた達の愛情は重いから」
サツキは翔子と白雪にいささか引いて言った。
「だからね」
「駄目なの」
「そうなのかしら」
「私も尊敬されると重いと思うけれど」
それでもというのだ。
「愛情もね」
「重い」
「そうですか」
「そうした種類のものもあるわよ」
実際にというのだ。
「やっぱりね」
「サツキさんの言う通りよ、愛情が深いことはいいけれど」
なのはも話した。
「重い愛情もあるから」
「だからなの」
「そうしたことには注意しないと駄目ですか」
「ええ、相手が引かない位よ」
「重い人は悲しいのでしょうか」
沙耶香はふと思った。
「気持ちがそうだと」
「沙耶香さんの学校の」
「はい、あの人は」
「そうかも知れないわね」
なのはも否定しなかった、髪をほどいでいるが普段よりも艶やかな感じで密かに周りに注目されている。
「あの人のことを聞いても」
「そうですか」
「持っている気持ちが重かったから」
だからだというのだ。
「ああしてね」
「間違えたんですね」
「そうだったと思うわ」
「そうですか」
「あの人とは色々ありましたが嫌いではないです」
真希も話してきた。
「夜見や結芽が生きているせいかも知れないですが」
「その心がわかるからよね」
「はい、そのせいで」
こうなのはに話した。
「今も嫌いではないです」
「私もです」
他ならぬ夜見も言ってきた。
「私を認めてくれましたから」
「だからなのね」
「確かに道を間違えましたが」
このことは事実だがというのだ。
「ですから」
「そうなのね」
「ですが重いと」
「そうよ、間違えるわ」
なのはは夜見にも答えた。
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