深淵編 災厄の謎に触れた者達
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虫達の動向を観察していたビオは、数年前に旅先で耳にした「伝承」のことを思い返していた。
(……「地の底」の「悪魔」、か)
観測拠点「エルガド」で活動していた、とある王国の騎士達から聞いた「伝承」によると――彼の地の深淵には、恐ろしい「悪魔」が潜んでいるのだという。
あくまで御伽噺だと騎士達は語っていたが、その悪魔のような咆哮を耳にした今となっては、絵空事とは思えない。
その判断に至ったビオは、これからエルガドで起こり得る「災厄」を予感し――独り拳を握り締めていた。
(もしそれが、御伽噺では無いのだとしたら。……俺達に纏わる逸話のように、御伽噺にしか聞こえない「真実」なのだとしたら。今回の侵攻は、その「凶兆」に過ぎなかったのかも知れんな)
生命を吸われたかのように、息絶えていた老山龍。その骸から這い出て来た、無数の羽虫。そして、エルガドの方向から響き渡って来た謎の唸り声。
この全てが1本の線で繋がっているのだとしたら、並のハンターでは到底太刀打ち出来ないだろう。自分達のような「伝説世代」のハンターでも、解決出来るかどうかは分からない。
もし、この先に起こり得る「災厄」を払える者がいるとすれば。それは恐らく――
「――百竜夜行にも打ち勝ったという、ウツシの弟子。カムラの里の『猛き炎』、か」
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