第二千二十九話 惚れたが悪いか
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第二千二十九話 惚れたが悪いか
ドイツは太宰治のかちかち山を読んでこの世の終わりみたいになってお隣にいる日本に言いました。
「この兎は何だ」
「原典以上のサイコパスですね」
「ここでの狸は恰好よくないだろう」
「所謂いけていない狸ですね」
「だがここまでされるか」
ドイツは日本に言いました。
「好きになっただけで」
「少女の無垢で残酷な心を書いた作品です」
「これは残酷と言うレベルか?」
最早というのです。
「自分を好きになっただけのいけてない相手をここまで嬲り殺しにするか」
「ですからそれが」
「しかも殺した後汗をかいただけか」
散々痛めつけて嬲り殺しにした後で、です。
「恐ろしいぞ」
「かなり怖いことは事実ですね」
「しかもこの狸は悪いことをしていない」
お婆さんに何かした訳でも畑を荒らした訳でもないです。
「それなのにここまでか」
「まさにそれがです」
少女の無垢で残酷な一面だというのです、狸の最期の言葉は悲痛なものでした。
第二千二十九話 完
2022・8・11
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