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八条学園騒動記
第六百六十六話 巨砲からその十六

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「そんなものじゃ」
「やっぱりそうですか」
「だがな」
 それでもとだ、博士はワインをまた飲んで話した。
「今言った通り管理者はじゃ」
「そんなことはしないですね」
「数えきれないだけの宇宙を全て護っておる」
 パラレルワールドとも呼ばれるそれをというのだ。
「それこそ人間の認識では把握出来ないまでの宇宙が存在しておるがのう」
「途方もない話ですね」
「しかしな」 
 それでもというのだ。
「管理者の誰も宇宙を無下に潰したことはない」
「ちゃんと育てていますか」
「そうじゃ」
「そうなんですね」
「だから人類を滅ぼすこともな」
「ないですか」
「遥か未来、まあ何時になるかわからんが」
 博士は考えつつ話した。
「人類の終末までな」
「博士は一緒ですか」
「そのつもりじゃ、助けることはせぬが」
「滅ぼすこともですか」
「せん、こうして気が向くとな」
 その時はというのだ。
「喧嘩を売っておる」
「気が向くとですね」
「そうしておる」
「遊びですね」
「遊び好きなのがわしであるからのう」
 紅茶を飲んでいる野上君に話した。
「それでじゃ」
「喧嘩を売って」
「兵器の開発や製造もじゃ」
「されてるんですね」
「そうじゃ、ではそろそろ来るぞ」
「超巨大戦艦の巨砲が」
「その一撃がな」
 それが来るとだ、野上君達に楽しそうに話した。
「いよいよな」
「それでその一撃をですね」
「今から受けるぞ」
「そうされますか」
「これよりな、衝撃に備えるのじゃ」
 野上君達に話した。
「よいな」
「わかったぜ」
「それじゃあね」
「あまりないが」
 ライゾウとタロに話した。
「多少でも揺れるからのう」
「だからだな」
「注意しないと駄目だね」
「左様、今は飲食も控えるぞ」
 こう言ってだった。
 博士は一旦そういったものを収めた。そうして敵の巨砲による衝撃に対して備えるのであった。


巨砲から   完


                 2022・5・2
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