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八条学園騒動記
第六百六十六話 巨砲からその十五

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「汚物じゃ」
「それに過ぎないですね」
「それをわかってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでわしもじゃ」
「いつも動いておられますね」
「マッドサイエンティストは悪役じゃ」
 博士は自分のことも話した。
「なら倒されるものじゃ」
「最後は」
「それか引き分けじゃ」
「勝つものじゃないですね」
「言っておくがわしは人類を滅ぼすつもりはない」
 一切というのだ。
「考えたこともない」
「これまでですか」
「一瞬もな」
 それこそというのだ。
「ないのじゃ」
「そうなんですね」
「左様、だからな」
 それでというのだ。
「わしも無敵の敵になぞじゃ」
「なられないですか」
「今じっくりと話した通り無敵の敵は嫌いじゃ」
「ストーリーが成り立たないので」
「そしてじゃ」 
 それにというのだ。
「結末も碌なものではない」
「それで博士も無敵の敵にならないですか」
「わしは神と呼ばれる者じゃ」
 自分が人でないことも話した、そもそも二百億年も生きられるなぞ人間どころか並の生きものが出来ることではない。
「宇宙樹の管理者の一人じゃ」
「一人って人の数え方ですよね」
「では一柱じゃ」
「神様とするなら」
「宇宙の一つ一つが葉でな」
 宇宙樹のそれでというのだ。
「その管理者の一柱でな」
「それで、ですか」
「その力は人間とは違う」
「そりゃ宇宙が木の葉一枚ですね」
「そうした認識であるからのう」
 博士から見ればというのだ。
「人類どころかこの宇宙をどうするかもな」
「出来ますね」
「そんなこと管理者はせんが」
「宇宙を潰すことは」
「宇宙の一つ一つ、無数のパラレルワールドになっておるそれをじゃ」
 博士は野上君に話した。
「育てその終末まで保つ」
「それが管理者のお仕事で」
「その気になれば人類どころかな」
「僕達がいる宇宙自体をですか」
「何でもなく潰せる」
「人間が木の葉を取って潰すみたいに」
「造作もない」 
 まさにというのだ。
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