第三十一話 しっかりした人その八
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「これが」
「そうよね」
「いや、何かそれぞれの男の子の脳内で自分がどうなっているか」
富美子はシリアスな顔で述べた。
「考えるだけで嫌になるから」
「もう考えない考えない」
留奈は話を強引に切る様にして語った。
「そうしないとね」
「アイドルや女優さんだって考えないわよね」
「声優さんもね」
「自分達のグラビアが何に使われるかわかっていても」
「それでもね」
「もう自然ってね」
富美子は留奈に言った。
「男の子の」
「当然の考えで行為で」
「受け入れるしかない」
「そうしたものよね」
「本当にね」
「いや、海でアルバイトしてそれで遊んでで」
一華はこの時のことも話した。
「ビーチで遊ぶとなると水着だけれど」
「やっぱり男の子が見たらね」
どうなるか、富美子が応えた。
「今と一緒ね」
「後でね」
「想像されてね」
「そうしたことに使われるわね」
「絶対にそうよね」
「ならない筈がないわね」
「上杉謙信さんでもないと」
富美子はこの戦国大名越後の龍と呼ばれ戦の場では常勝無敗を誇ったこの人の名前をそのまま出した。
「女の子見たらね」
「想像するわね」
「謙信さんは女の人とはお付き合い出来なかったから」
これは彼が毘沙門天を信仰していたからだ、毘沙門天を信仰していると妻帯は禁じられていたのだ。
「それでね」
「女の人ではね」
「その代わりね」
謙信の場合はだ。
「ガチで美少年趣味だったのよ」
「それ有名よね」
一華もそれはと応えた。
「当時は普通だったしね」
「信長さん信玄さん政宗さんもでね」
「それで捕まった人いないから」
日本の長い歴史の中で同性愛で捕まった者は一人もいない。
「ザビエルさんも怒ったのよね」
「あれよね、男色が蔓延ってるってね」
理虹も言った。
「滅茶苦茶怒ったのよね」
「それで逆に怒られたのよね」
「大内義隆さんにね」
この人物も男色を嗜んでいたからだ、それを詠った和歌も残している。
「そうだったのよね」
「じゃあ昔は同性愛でもね」
「想像する人いたのよね」
「いや、それないわね」
留奈は女性同士の同性愛即ちレズビアンのことを考えて話した。
「女の子のって」
「そうよね」
かな恵もそれはと頷いた。
「ちょっと以上にね、けれど男の子は今がね」
「十代がね」
「一番意識する時で」
それでというのだ。
「私達を見てもね」
「意識して想像して」
「後ですっきりするのがね」
「普通ってことね」
「そうね、まあ私はぎりぎりね」
かな恵はこう言った。
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