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夢幻水滸伝
第二百五十話 三つ巴のはじまりその六

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「今はな」
「大軍を通らせるにはですね」
「難しいからな」
 こうした事情があるからだというのだ。
「それでや」
「福建省から攻めますね」
「そして広東省を目指すで」
「敵の本拠地の広州まで、ですね」
「そうするで」
「あの、ちょっと思ったんですが」
 雅美が右手を挙げて言ってきた。
「湖南省を施さん達も攻めて一気にそこから広東省攻めたらどうです?」」
「あっ、それええかもな」
 紗枝は雅美のその提案に頷いた。
「湖南省も掌握出来るしな」
「私も賛成するで」
 由香も雅美の提案に頷いた。
「ええやん」
「それでどうです?」 
 瑠璃子は三人の言葉を受けて施に尋ねた。
「うちもええと思いますけど」
「それ自分も考えたけどな」
 それでもとだ、施は四人に難しい顔で答えた。
「そうしたら張達とも激しく戦うやろ」
「郭さん達だけやなくて」
「張さん達ともですか」
「そうなるさかいですか」
「湖南省から一気にはですか」
「せん、ましてそうしたら郭達と張達が手を結んでな」
 そうしてきてというのだ。
「湖南省で挟み撃ちにもされるで」
「ああ、確かに」
「広東省と四川省から」
「そうされる恐れもありますね」
「言われてみれば」
「そやから湖南省の方は陽動や、あそこで郭達と張達が手を結んで自分達を攻めてきても」
 そうしてもというのだ。
「自分達は拠点を築いて守るか最悪撤退してもええ、その間にな」
「福建省からですね」
「郭さん達を攻める」
「それが出来ますね」
「そやからな」
 そうした戦略が執れるからだというのだ。
「ここはや」
「湖南省に主力を向けんのですね」
「あちらの掌握は陽動も兼ねてで」
「主力は向かわせへんですか」
「そうしますか」
「あそこは後々四川省とかを攻める時には主力を集結させてな」
 その様にしてというのだ。
「そこから四川省とかを攻めるが」
「今はですか」
「陽動でただ掌握を進める」
「それだけですか」
「そうなんですね」
「そや、それで自分等は十万の兵を率いてな」
 そのうえでというのだ。
「進出してもらうで」
「わかりました」
「ほなそうさせてもらいます」
「そしてそのうえで、です」
「うち等はやらせてもらいます」
「そういうことでな」
 こう言ってそうしてだった。
 施は四人に湖南省から主力を攻めさせないことを納得してもらった、彼はその話の後であらためて話した。
「それで六十万の軍勢はまずは浙江省の温州に集結させる。
「そこから福建省に向かいますね」
「そや、あそこを最初の拠点にしてな」
 白に対して答えた。
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