第二百五十話 三つ巴のはじまりその一
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第二百五十話 三つ巴のはじまり
施は仲間の星の者達を集めて卓を囲んだ、その卓の上には中国の南の大きな立体の地図があり浮島も浮かんでいる。
その地図を見つつだ、施は仲間達に話した。
「さて、湖南省の進出やが」
「こうして見ると湖南省も広くです」
白は地図のその省を見て話した。
「多くの街や村がありますね」
「そして浮島も多いな」
「左様ですね」
「ここは今星の者がおらんでな」
「しかも三つの勢力に接しています」
「今中国の南の要地になってる」
施は確かな顔と声で述べた。
「ここを制したらな」
「他の二つの勢力に先んじることが出来ますね」
「そや」
まさにというのだ。
「そうなる、そやからな」
「何としてもですね」
「湖南省を掌握する、そしてな」
「他の二つの勢力をですね」
「降すで、その足掛かりになるのがな」
まさにというのだ。
「湖南省の掌握や」
「そうなりますね」
「そやからここは是非な」
「湖南省は我々がですね」
「手に入れる、使者を街や村に送ってな」
まずはそうしてというのだ。
「こちらに入る様に誘ってな」
「入った街や村を拠点にして」
「大軍を駐屯させてや」
その様にしてというのだ。
「自分等もな」
「入りますね」
「そうしたい、確かな将も置くが」
自分達の軍の中のというのだ。
「それと共にや」
「我々五人のうちの誰かですか」
王は施に彼の顔を見つつ尋ねた。
「そうですか」
「いや、四人程心当たりがある」
施は王の問いに彼に顔を向けたうえで答えた。
「星のモンでな」
「四人もですか」
「日本の何でも屋や」
施はここで笑って話した。
「おるやろ、あの娘達や」
「ああ、田辺さん達ですね」
「あの四人丁度今仕事終わったとこやからな」
「声をかけてですね」
「雇ってな」
そのうえでというのだ。
「湖南省に送る、それでや」
「あの省の掌握を進めますか」
「いい加減で怠け者やがやる時はやってくれる」
施は四人のこのことも話した。
「略奪とか暴行も許さんしな」
「いい人達ですよ」
紅美は四人のことを微笑んで話した。
「人の筋を通している」
「そやろ」
「お会いするといつも仲良くしてもらっています」
「いい加減で怠け者でもやな」
「私はそうは思いません」
紅美は正直な声で答えた。
「決して」
「ええ娘達とか」
「思っています」
「そうなんか」
「はい、ほんまに」
「まあそこはそれぞれやな、何はともあれあの四人を湖南省に送ってな」
施はあらためて話した。
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