第69話 姫の恋
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「ははっ、受けないとは言わないんだね。やっぱり君たちは優しい子だね」
「ん、まあ個人的にはオリビエは面白いから好きだしね」
そんな事を話しながらわたし達は生徒達から情報を集めていく。オリビエが女子寮に入ろうとしたのでお尻に銃剣を突きつけたりしたけど何とか一通り情報を集めることが出来たよ。
「さてと、エステル達と合流しよっか」
「確か講堂の方に向かったって聞いたね、そこに行こうか」
「了解」
そして講堂に入るとステージ上でエステルとクローゼが何かを話していた。わたしは二人に声をかけようとするがオリビエに止められてしまう。
「ちょっと待った、フィ―君」
「……なに?」
「今あの二人は青春のひと時を過ごしているんだ。そこを邪魔するのは野暮だろう?」
「青春?」
オリビエの言ってることの意味が分からなかったので、ステージに近い別の入口に回り込んで耳を澄ませて二人の会話を聞いてみる。
「エステルさん、実を言うと私ヨシュアさんの事が好きだったんです」
「へっ……?……えええぇぇぇぇぇえ!?」
クローゼの突然の告白にエステルは大きな声を上げて驚いた。正直わたしも驚いてる。
「えっ?なんで?いつ好きになったの?」
「最初は少し影のある人だなって思ってたんです。でも一緒に過ごしていくうちに彼の優しさや他の人には無い何かに惹かれていって……気が付いたら好きになっていたんです」
「……そっか」
エステルは最初こそ驚いていたが直ぐに冷静さを取り戻していた。
「何となくだけどそんな気がしてたのよね、ヨシュアを見る目が熱っぽかったっていうか他の人とは違ってたから」
「……」
「ん?どうしたの?」
「い、いえ……失礼なことを言いますがエステルさんって他人の恋には鋭いんですね」
「うっ……まあそう言われても仕方ないわよね」
けっこう失礼な事をクローゼに言われたけど、そう言われても仕方ないくらいには自分への好意には鈍感だったからね、エステルって。
「最後のキスシーンなんて心臓が破裂しそうなくらいドキドキしちゃいました。エステルさんに申し訳ないと思いつつもこのまま唇を重ねることが出来たら……なんて本気で思っちゃって……」
「そ、そうなんだ……そんなにもヨシュアの事を……」
「……ただそれだけじゃないんです」
「えっ?」
「……これはフィーさんには言わないでほしいのですが、実はリィンさんの事も気になってるんです」
「……ええっ!?」
これにはエステルだけじゃなく流石にわたしも驚いた。なんとなくヨシュアに気があるのかなって思ってたけどまさかリィンまでだなんて……
「……クローゼって黒い髪の男の子がタイプなの?
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