第69話 姫の恋
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った。これは止めないといけないね。
「ふっ……哀しい事だね」
わたし達が喧嘩を止めようとすると海の方からボートが流れてきた。その上にはリュートを持った金髪の男性がいてそれを見たリィンは片手で顔を覆い隠して空を見上げた。
「争いは何も生み出さない、虚しい亀裂を生み出すだけさ。そんな君たちに歌を送ろう」
そして金髪の男性はリュートを弾きながら歌い始めた。けっこう上手いね。
「ありがとう、どうやら僕の気持ちは伝わったようだね。それでは諸君の期待に応えて二曲目を……」
「もういい!!」
「げふっ!?」
いつの間にか橋の中央に移動していたリィンが二曲目を歌いだした金髪の男性にドロップキックをかました。
男性はボートから落ちて海に転落してリィンは宙返りしながら橋に降り立った。お見事。
「……なんか冷めたな」
「ああ、俺達も熱くなり過ぎていたよ、済まない」
「お互い様だ。こちらこそ申し訳なかった」
どうやら両方の勢力は頭を冷やしたらしくお互いに謝罪をしていた。そして橋の上から去っていった。
「さて俺達もギルドに帰りましょうか、それぞれが手に入れた情報を合わせないといけないですから」
「いや、あの……彼は助けんくってええんか?」
「何もいませんよ、あそこには。なにもいないんですよ……」
「リィン君、ヘルプミ―!!」
ケビンは金髪の男性を助けないのかとリィンに聞くが彼はそれを無視する。海に落ちた男性はリィンに助けを求めていた。
「相変わらず面白いね、オリビエは」
わたしはそう言って海に落ちた金髪の男性……オリビエを助けることにしたのだった。
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―――
「いやぁ、久しぶりの再会に熱い一撃をくれるなんてリィン君は激しいね?なんだったら今夜二人でホテルにでも……」
「氏んでください」
「えっ?」
心底嫌そうな顔でそう言うリィン、まあ気持ちは分かるよ。
「なんであんたがここにいるのよ、オリビエ」
「いやぁとあるツテで君たちが帰ってきた事を聞いたから会いに来たのさ」
「相変わらず胡散臭いヤツね、素直に喜べないわ」
教えてもないのにわたし達の行動を把握していたオリビエにエステルが呆れていた。
「でも元気そうで何よりだよ、流石はエステル君だね」
「まあ心配してくれたのは事実だろうしここは素直にお礼を言っておくわね、ありがとうオリビエ」
「なっ、エステル君が素直!?コレはコレでいいんだけどなんだじゃ物足りないな。もっと前みたいに激しく情熱的に僕を攻め立てて……」
「顔を赤らめながら不穏な発言するのはやめい!」
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