第69話 姫の恋
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かった。
「フォクトお爺さん、こんにちは!」
「ん?おおっ、お前さんはいつぞやの遊撃士か。久しいな」
エステルと顔見知りだったお爺さんは笑顔で迎えてくれた。
「あの時は本当に助かったよ、ワシがこうして今も灯台守をしていられるのもお前さんのお蔭じゃ」
「そう言って貰えると嬉しいわ」
「それで今日はどうしたんじゃ?」
「あのね、お爺さんが見たっていう幽霊船について話しを聞かせてほしいの」
「幽霊船か……あれを始めてみた時は身震いしたわい」
お爺さんはよっぽど怖かったのか顔を青くしていた。
「ワシが幽霊船を見たのは3日前の夜中じゃった。灯台の光に照らされている海を見ていたら不意に青い炎を纏った船が目に映ったんじゃ」
「あ、青い炎!?」
「うむ、しかも船はボロボロでマストには髑髏のマークが刻まれていたんじゃ。あれは間違いなく大昔にこの辺りを荒らしていたという海賊『キャプテン・リード』の船に違いない!」
「キャプテン・リード?どんな奴なんや?」
キャプテン・リードという言葉にケビンが反応した。わたしもルーアンにそれなりにいた事があるけど聞いたことがないね。
「キャプテン・リードというのは大昔にルーアン地方で活動していた海賊の事じゃ。悪逆非道の限りを尽くしたという恐ろしい海賊だと言い伝えられてきたんじゃ。今ではワシのような老人くらいしか知らんがな」
「そんな酷い人がいたんだ……それでお爺さんはそのキャプテン・リードって海賊が幽霊になってさまよってるって思ってるの?」
「そうじゃ、あの船には恐ろしい骸骨の化け物も乗っておった!3日前から毎晩現れて今はまだ沖の方を徘徊しているだけじゃがもし奴らが村にでも向かったら思うと……」
「怖いね……」
骸骨の化け物か、確かにそんなのがいるって分かったら不安でしかないよね。
「とにかくワシが話せるのはこのくらいじゃな」
「ありがとうお爺さん、凄く助かったわ!」
「そうか?力になれたのなら良かったわい」
お爺さんから情報を貰ったわたしたちは灯台を後にした。
「ケビン、お爺さんの話を聞いてどう思った?」
「キャプテン・リードかどうかは分からへんけど古代遺物が絡んどる可能性はありそうやな。前に死体を操ってグールにしてまう古代遺物を回収した事があるんよ」
「グールって何?」
「ホラー系の小説に出てくるゾンビみたいなモンやな」
「ゾ、ゾ、ゾンビぃっ!?」
わたしはケビンに質問すると彼は目に似たような古代遺物を回収したと話す、その話の中に出てきたゾンビという言葉にエステルは顔を青ざめて叫んだ。
「ゾンビは嫌よ!まだ触れられない幽霊の方がマシだわ!だってゾンビって噛んだ相手を同
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ