死ねない呪いの勇者
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せてくれ。確実に魔王にトドメを刺すぞ」
「うん??その直後に僕が魔王と一緒に存在ごと消えても、責任を感じる必要はないからね」
「なッ???」
「あくまで可能性のことを言ってるんだ。確実にそうなるとは??限らないから」
「──────」
「ちょっと、外に出て魔物を屠ってくるね。早めにダメージを回復しておかないと??」
血の流れ続ける左眼を片手で押さえつつ、ふらつきながら立ち上がるジュイネ。
「俺も付き合おう」
「やめておいた方がいいよ、僕が魔物を直接取り込んでる姿なんて??見せられたものじゃないから」
「????」
───暫くして魔物の徘徊する外から砦内に戻ってきたジュイネは、グレイグから受けたダメージを完全に回復させ、左眼も完治し眼球も元通りになっていた。
「魔物を美味しく感じるようになるなんて、思ってもみなかったよ。??それはともかく、僕の力でグレイグの姿を見えなくしておかないとね」
「どういう、事だ?」
「魔王ウルノーガに反撃しに行くのは闇の眷属の力を逆手に取った闇竜と化した僕のみ??だけど姿の見えないグレイグが闇竜の僕に乗っていて、僕と一緒に魔王を瀕死まで追い込みトドメはグレイグが刺す。??グレイグの姿が見えていたら、魔王は真っ先に狙ってくるだろうから」
「なる程??承知した。必ず魔王を討ち果たそう」
ジュイネはグレイグの姿を見えなくした後その場で闇竜と化し、自分より数倍巨大化した姿にグレイグは一瞬驚きはするものの不思議と恐れは感じず、背を低めた闇竜のジュイネの背に跨がり魔王の住まう天空魔城へ乗り込む。
??グレイグのかつての友が魔軍司令として立ちはだかったが難なく倒し、魔王ウルノーガも追い詰めてゆくがそう簡単にはゆかず、第二形態と化したウルノーガに苦戦を強いられるものの、邪竜ウルナーガを屠り取り込んだ闇竜のジュイネの力が魔王ウルノーガを上回り遂に瀕死まで追い込み、魔王から姿の見えないグレイグは好機を見逃さずウルノーガにトドメを刺そうとするが、天空魔城に乗り込む前のジュイネの言葉が頭をよぎった。
(───僕が魔王と一緒に存在ごと消えても、責任を感じる必要はないからね)
「??ッ!」
『躊躇わないで、グレイグ!』
その言葉でグレイグは迷いを振り切って魔王ウルノーガにトドメを刺し、崩壊する天空魔城から闇竜のジュイネと共に脱出。───その直後、枯れ果て落下していた命の大樹に再び膨大な命が宿り復活を果たして空へと舞い戻った。
「やったな、ジュイネ! これでお前も元に───」
グレイグが歓喜の声を上げた瞬間、ジュイネは闇竜の姿から元の姿に戻
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