死ねない呪いの勇者
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言いながら物陰に寄せるグレイグ。
「うん、ありがとう??陰の中に居た方が、身体の痛みも少ない??。僕を殺してって、言ったけど??一時的に死んでも魔王の元に戻るだけで死ねやしないんだ。勇者だった時は、死んでもその場で強制的に蘇るか教会で復活出来たりしてたけど??」
「元凶を倒せば??お前の身体をこのようにした魔王を倒せば勇者だった時の使命を果たせる上に、人間の身体に戻れるのではないか?」
「どう、なのかな??そうだと、いいけど」
「ならばやはり、魔王を討伐せねば??! その前に、砦内の人々を起こしてやれないか?」
「ごめん??かなり強く眠りの呪文をみんなに掛けちゃったから、暫くは起きないと思う。砦を出る時にバリアを掛けて、外から魔物や悪い人が入り込めないようにしておくよ??」
「いや??そもそもお前は今かなり弱って───」
「大丈夫??外の魔物を一定数屠って取り込めば、すぐ回復するよ。それに僕??空を飛べるようにもなってるから」
「む、どういう事だ???」
「身体を弄られた上で思わぬ力が目覚めたんだ。??闇竜に変化して、飛べるんだよ僕」
そこで不敵な笑みをみせるジュイネ。
「なんと??」
「闇竜になれば、最後の砦を簡単に滅ぼすことは出来たけど??その力は僕の意思で押さえ込んだ。人間から大分離れちゃったけど寧ろこの力を利用して、魔王を討伐出来るかもしれない。天空魔城のバリアも、何とか出来ると思う。何せ魔王から直接弄られた身体だから、魔王の片割れのような存在になってるみたいなんだよね。それを魔王自体が気づいてるかどうかは、別として」
「余程強力な眷属が欲しかったのか???」
「その割には六軍王の一人にされたから、元勇者だった玩具にしか見てないんじゃないかな」
「見くびり過ぎだな、その元勇者に倒される魔王とやらを是非拝みたいものだ
グレイグも不敵な笑みを浮かべる。
「───??魔王を倒すのは僕じゃなくて、グレイグだよ」
「何を、言うのだ?」
「魔王の片割れのような存在になった僕には分かるんだ。??今の魔王を僕の手で倒したら、その直後に僕という魔王が誕生する」
「????!?」
「それを阻止する為に、僕とグレイグで魔王を瀕死の状態まで追い詰めて、トドメはグレイグが刺すんだよ。そうすれば新たな魔王は誕生しない」
「訳が、判らないぞ??」
「僕がトドメを刺しちゃったら魔王の片割れの僕にその力が逆流するんだよ。それだけは何としても避けないと」
「お前が魔王になるなど考えたくもない??とにかく俺がトドメを刺せば良いのだな? それならば、任
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