死ねない呪いの勇者
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ープルオーブを抜き取ってみよう」
「??お願いするよ、グレイグ。僕は何とか自分の中に渦巻く闇の力に抗って、グレイグには抵抗しないから??好きなように弱らせてよ」
グレイグは致命傷を与えぬよう細心の注意を払い、無抵抗のジュイネにダメージを与えてゆき、仰向けに倒れた所でその上に跨るようにして顔を間近に寄せ、囁くように語り掛ける。
「今から、お前の左眼に埋め込まれているパープルオーブを抜き取るぞ??。手袋は外し、生手で抜き取るが??覚悟はいいか、ジュイネ」
「もち、ろん??いつでも、いいよ??。こんなもの??欲しくなんてなかったんだから??」
グレイグも意を決し、片手に力を込めてジュイネの左眼のパープルオーブを抜き取りに掛かり、ジュイネは痛みに耐えつつも呻き、左眼から血を溢れさせながらもグレイグはパープルオーブを抜き取る事に成功する。
「よし、お前の左眼からパープルオーブを抜き取ったぞ! 左眼をすぐ回復してやらんとな??《ベホイ───》」
「や??やめてよグレイグ、回復呪文は、使わないで??っ」
血の溢れる左眼を押さえながら懇願するジュイネ。
「な、何故だ??早く傷口を塞がねば」
「だめ、なんだ??。僕の身体はもう、回復呪文を受け付けない。逆効果に、なってしまうんだ??」
「逆効果、だと??? それはつまり」
「ダメージを受けるって、ことだよ??それもかなり、痛いんだ。そんな身体にされてから、実験と称して何度も何度も、回復呪文を掛けられて??激痛でしかなかったんだ。それでいて??弱ることはあっても死ぬことも出来ない」
「なん、だと??ッ」
「時間を掛ければ弱った身体は勝手に回復していくけど、早めに回復したい場合は??魔物を屠るんだよ。直接取り込むことで??直に回復も出来る」
「???!」
「ほら??だから、言ったでしょ。僕の身体はもう、人間のそれじゃないんだよ。使えてた回復呪文も、使えなくなったしね」
「しかし、お前の左眼に埋め込まれていたパープルオーブは抜き取ったのだ。ならば自ずとお前の身体は人間に───」
「闇の力の暴走の危険性が無くなるのと、この辺りの常闇が晴れるだけだよ。??ほら、空を見て。どんどん明るくなってる。ただ??元凶を倒さない限り快晴とまではいかないけどね」
「魔王に弄られたお前の身体は??パープルオーブを抜き取ろうとも、元に戻る事は無いと???」
「あぁ??太陽の光が、身体に刺さるや??。人間の身体だったら普通は、喜ぶ所なのに??っ」
ジュイネはその場に蹲り動けなくなる。
「影に??影に入ろう。そうすれば少しは楽なのではないかッ?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ