死ねない呪いの勇者
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んだっけ」
「自分の意思で、魔王の眷属になったのではないのだな???」
「まぁそうだよ、さっさと殺された方がマシだったんだけどね。よっぽど元勇者の肩書きを持つ眷属が欲しかったのかなぁ」
「─────」
「左眼にさ、強力な闇の力を纏ったパープルオーブを無理矢理埋め込まれたんだよね。その力でこの辺りの常闇を生み出してるのが僕なわけだけど??そろそろ砦内部から崩壊させてやろうと思って、帰還した勇者を装って最後の砦に来てあげたんだよ。共闘は目くらましの為だね」
「(??そういう事か)」
「ほら、僕??将軍以外の砦内の人々を皆殺しにしちゃったから、僕を確実に倒す理由にはなったでしょう? だから??僕を殺してよ、グレイグ将軍」
「だ、め??グレイグ将軍??ジュイネは、ジュイネは、まだ───!」
「??! 全く、死んだように眠っててくれなきゃ困るよ??エマ」
倒れ伏し顔だけ辛うじて上げたエマに向けジュイネは片手を翳し、再び深い眠りに陥らせる。
「なるほどな??お前は最後の砦の人々を皆殺しにしたと言ったが、実際は深く眠らせただけか」
「─────」
「魔王の眷属になったとは言っても、従いきれずに親しい存在を死なす事も出来ず、俺に殺されたがっている??という事だな、ジュイネよ」
「自我を失ってない時点で、魔王の眷属としては失敗作だよね僕は」
「違うな??お前は左眼に埋め込まれたパープルオーブがもたらす闇の力に抗っているのだ。誰かを本当に死なせてしまう前に??殺して欲しいと願っているのだろう。違うか?」
「???そうだよ、そこまで分かってるんだったら殺してよ」
「それは無理な話だ」
「どうして、僕はもう勇者じゃなければ人間ですらない??魔王に身体を弄られた操り人形の玩具に過ぎないんだよ。いつこの身に蓄積された闇の力が暴走するかも分からない??今すぐ僕を殺しておかないと、最後の砦の人々を今度こそ本当に殺してしまうかもしれない??」
「俺は、幾度となく英雄と呼ばれて来た??だが大樹崩壊後は、俺に真に救えるものなど何一つないと思っていた。それでも俺は今、人としての心を保ち目の前で苦しんでいるお前を救いたいと強く願っている」
「───グレイグ」
パープルオーブを埋め込まれた左眼から、一筋の涙を流すジュイネ。
「その左眼のパープルオーブ??それを、抜き取る事が出来ればあるいは」
「自分でも??何度もそうしようとしたよ。けど、強力な闇の力が邪魔して自分じゃ抜き取れなかった」
「ふむ??なら少々手荒いかもしれんが、お前をある程度弱らせて俺がお前の左眼からパ
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