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DQ11長編+短編集
死ねない呪いの勇者
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呼んでるってさ、砦に戻ろうよグレイグ将軍」


「あ、あぁ??。(何だ??妙な気配だ。俺が追っていた悪魔の子??もとい勇者とは違う気が)」

 デルカダール王はグレイグとジュイネに、デルカダール城に巣食った常闇の魔物を倒してほしいと願い出る。英雄グレイグと勇者ジュイネならばそれが可能だと確信していると言う。二人は背面の崖から城に潜入する事になり、一旦砦内で身体を休める事にする。


「僕はちょっと砦内を散策してくるよ??幼なじみのエマとペルラ母さんともう少し話しておきたいし。グレイグ将軍は先に休んでなよ」

 ジュイネはそう言って休憩用のテントからグレイグを置いて出て行く。


「(───??中々戻って来ないようだが??、幼なじみと母親と離れ難いのだろうか。やはり勇者とはいえそこはまだ、少年らしいというかな)」

 ウトウトとし始めていたグレイグだが突如、砦内の外から破裂音のような音や何かがぶつかり合うような音がして一気に目が冴え、近くに置いていた大剣を素早く手に取り休憩用のテントから飛び出すとそこには。


「あ、起こしちゃったかな。ごめんねグレイグ将軍」


「お、お前??なのか。何をした、ジュイネッ?」

 ジュイネの足元には、彼の幼なじみのエマが倒れ伏していた。その近くには、育ての母親のペルラや、砦内の人々など───


「デルカダール王??!?」


「ダメだよグレイグ将軍、近づくことも??触れることも許されない。みんな、もう死んだんだよ」

 静かにそう述べるジュイネの左眼は、紫色の妖しげな光を纏っている。


「どういう事だ、勇者ジュイネよ!? いや、違う??勇者の姿をした紛い物かッ!」

 大剣を手に一気に詰め寄るが、瞬間移動で躱される。


「紛い物じゃないよ??正確には、元勇者かな」


「元勇者、だと??ッ?」


「どうやってあの場を生き延びたか??あの大樹崩壊から数ヶ月の間僕がどうしてたか、気になってたみたいだよねグレイグ将軍。教えてあげようか、魔王の眷属と化した元勇者のつまらない話を」


「なッ??!?」


「大樹崩壊後??魔王と化したウルノーガに僕だけ捕らえられてね、他の仲間は散り散り??一人は確実に死んだって聞かされたよ」


「????」


「誰が、とは言うつもりはないけど安心しなよ。グレイグ将軍にとって大事な姫様ではないから。どこかでは生きてるよ、無事とは言い難いけど」


「(姫様??ッ)」


「勇者の力を奪われた元勇者の僕を、そう簡単には殺してくれなかったんだよね魔王は。それ所か身体を散々弄って、自分の眷属にしちゃったんだから物好きだよねウルノーガは。??あ、魔王様って呼ばなきゃいけない
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