死ねない呪いの勇者
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たように身体に一体化していて感覚も確かにあり動かせた。服装の斬られた跡だけがはっきりと残っている。
「勇者の、力は失ったのに??勇者の、死ねない呪いは解けてないなんて??何の悪い冗談だよ」
「魔王たる我にも殺しきれないのが判ったか? 全知全能の神とやらは凄まじいチカラを持っているものだ、授けるばかりで自らは何もしようとはしない??あくまでも“勇者”に事を成させたいらしい。そもそもだ、魔王となる直前の我に胸を貫かれ勇者のチカラを引き抜かれておきながらお前は、直後に意識を戻していただろう」
「 ??ねぇウルノーガ、いや??魔王、邪神復活を阻止した魔王なら全知全能の神様って存在も倒せるんじゃないの?」
「ほう??? 真に悪魔の子らしい発言だな。全知全能の神とやらは勇者の選別を違えたか??? いや、我からすれば願ったり叶ったりと言った所か。しかし妙なものよ、先代勇者は完全に倒される間際の邪神から得た闇のチカラでいとも容易く“我”が亡き者に出来たというのに、前回の失敗から今回の勇者には死ねぬチカラを強めたとでもいうのか???」
「何のことを言ってるんだよ、質問に答えてよ」
「───この世界ロトゼタシアを創り出したのは元々は聖竜??それは命の大樹でもあり、今その魂は魔王たる我の中にある。全知全能の神とやらとは違うな。そもそもこの世界の“外”に居るのだとしたら、我にも手出しは出来ぬ」
「何だ??魔王になったからって無敵じゃないんだね」
ウルノーガは魔王の大剣でジュイネの頭を瞬時に斬り飛ばした??が、斬り飛ばされた頭は床に転がったはずがすぐに見えなくなり、頭を失ったはずのジュイネの頭部は何事も無かったように元に戻っていた。
「 ───怒ったの? ごめんね。それにしても気持ち悪いね、何度死んでも死に切れない感覚は。死なないという意味で無敵って言ったら、僕のことじゃないかな。魔王より悪魔の子の方が無敵だなんて??笑っちゃうね」
今度は片腕が宙を舞った。
「??即死級の攻撃なら、痛みすら分からないからマシだけど??こういう、中途半端なやられ方だと、痛みを感じちゃうから嫌なんだよね??っ」
がっくりと膝を落とすものの、少しすると失った片腕は根元から再生していった。
「───強い敵とは、勝つまで戦わされるんだ。何度死んでも??。今の僕は独りだし、死ねない呪い以外の勇者の力は使えないからどうしたって倒せないね、魔王は」
「??その死ねない呪いとやらも、取り込めたら良かったのだがな」
「恨めしげだね??けどこれは勇者の特権らしいし、魔王の君じゃ無理だね。全知全能の神様からしたら、魔王は勇者に倒されるべき存在みたいだから。今
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