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ボロディンJr奮戦記〜ある銀河の戦いの記録〜
第75話 演習 その1
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、俯角二〇度、急速前進!」

 しかしその戦艦の主砲の照準はエル・トレメンドの前にいた位置にキッチリと合わせられており、多少の軌道変更などでは避けきれないのは疑いない。エル・トレメンドの艦橋メインスクリーン左側面に映る四連装二基の主砲に光が灯った瞬間、敵艦とエル・トレメンドの間にいきなり味方の戦艦が割り込んでくる。艦首にはっきりと映える艦番は三〇七-G……司令艦橋後方から小さな悲鳴が上がる。

「アラミノスが!」
「後方の味方より砲撃! 敵戦艦撃沈判定の模様! ……これは!」

 オペレーターの報告と共に、メールロー中佐が部下の端末を確認して、現時点での演習の終了を宣告した。戦艦コシチェイの撃沈。すなわち仮想敵……グレゴリー=ボロディン少将の乗艦が撃沈したことによる対艦隊戦闘訓練の、それが決着だった。

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