第三十一話 しっかりした人その三
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「本当に」
「そうなるわね」
「お母さんが言うには尊大だったって言うけれど」
一華もどうかという顔で言う。
「何か自分がこの世で一番偉いと思っていて」
「いや、何処が偉いのよ」
「全然偉くないでしょ」
「何も出来ないししたこともないのに」
「何処が偉いのよ」
四人で一華に返した。
「性格も全く駄目で」
「何の特技もなくて」
「お金もないし立場もない」
「人望もないのに」
「それでもね、長男だからって甘やかされて」
そうしてというのだ。
「変に本読んでね」
「そうなったの」
「働きもしないでそうして」
「それでなの」
「勝手にそう勘違いしたの」
「そうみたいよ、私もお母さんから聞いて何でそう思えるのか不思議だったけれど」
それでもというのだ。
「その人はね」
「勝手にそう思って」
「それでふんぞり返って」
「偉そうにしていたのね」
「そうだったのね」
「それで感謝もしないでいつも何もわかってないのに偉そうに言って」
それでというのだ。
「遂にね」
「誰からも見放されて」
「今は行方不明」
「そうなったのね」
「碌でもないことばかりして」
「そうなの、こんな風になったら」
一華はどうかという顔になって首を捻って述べた。
「つくづく終わりね」
「もうね」
「人間としてね」
「どうにもならないわね」
「お話聞いて思ったわ、私も」
「幸せにもなれないってお母さん言ったけれど」
一華は四人にこのことも話した。
「それはね」
「当然よね」
「何もなくて嫌われてね」
「それで幸せになれるか」
「なれる筈がないわ」
「この人は性格が酷過ぎたのよ」
問題はそこにあったというのだ。
「全然努力しなかったそうだし」
「ただ偉そうにしていて」
「感謝も思いやりも遠慮もない」
「反省もしてなかったみたいね」
「そんなのだとね」
「幸せになんかね」
それこそというのだ。
「なれる筈がないわね」
「どう考えてもね」
「というか幸せ感じないんじゃないの?」
「いつも不平不満なら」
「それで感謝もしないなら」
「有り難いとか思わないならそうよね」
一華も言われて頷いた。
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